"葬儀3日後、姑に追放された私に亡き夫からの連絡" 第3話
けられぬの棺
翌朝の午。 え切ったリビングで、受話器を置いた数枝が畳のに崩れ落ちた。 その背は刻みに震え、やがて獣のような絶叫が喉から絞りされた。 「直が……直がんだって……! 搬送先の病院で、息を引き取ったって……!」
「……嘘……」 私の膝から力が抜け、に崩れ落ちた。 咲が「お父さん……? お父さんんじゃったの……!?」と泣き叫び、私の胸に顔を埋めて激しく取り乱した。 昨の朝、笑顔でを振っててった夫が、なぜ。 帰ってきたら読発表の話を聞くと言ってくれた夫が、なぜたい骸にならなければならないのか。
「お義母さん、今すぐ現へきましょう! 直さんの遺体を引き取りに……!」 ちがろうとする私を、数枝の徹な声が縫い止めた。 「あんたはかなくていいわ。私が従兄弟のトラックに乗せてもらって、現の警察署へって遺体を引き取ってくる。あんたは咲を連れて、ここで喪の準備でもしていなさい」 「どうしてですか! 妻である私が、夫の顔も見にけないなんておかしいです!」
数枝は充血した瞳で私を睨みつけ、吐き捨てるように言った。 「現の鉄骨の敷きになったのよ! 顔も体も酷い損傷で、見るもないって警察のが言っていたわ! そんな惨たらしい姿、咲に見せる気なの!? 母親なら、子供のを守るのが先でしょうが!」
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その言葉に、私は言葉を失った。 歳の娘に、損壊した父親の遺体を見せるべきではない――その点を突きつけられた、私はそれ以く主張することができなかった。
そのの夕方、数枝の配によって、現の警察署から直の遺体が自宅へと無言の帰宅を果たした。 しかし、運び込まれたのは、すでに釘がしっかりと打たれ、固く閉ざされたの棺だった。 窓にはい布が何にも覆い被せられ、の様子を窺いることは切許されなかった。
「お義母さん、最のお別れです。お顔の布をしだけめくって、お別れを言わせてください……」 私が棺に縋り付くと、葬儀社の担当者が申し訳なさそうに割って入った。 「奥様、お気持ちは痛いほど分かりますが……警察とご遺族の者であられるお母様からのいご指示で、防腐との観点から、ご遺体との対面は切わない取り決めとなっております。どうか、このまま静かにお見送りください」
「そんな……だけでも、握らせてください……!」 「美さん、いい加減にしなさい!」 数枝が親戚たちので声を荒らげた。 「直の無残な姿を晒して、あの子に恥をかかせる気!? あんたの自己満のために、んだ息子を辱めないでちょうだい!」 親戚たちも「お母さんの言う通りだよ」「美さん、ここはしなさい」
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と々に数枝に同調した。
翌のお通夜、そしてその次のの告別式。 私は喪主の座すら数枝に奪われ、遺族席の端で、ただ械のように参列者にをげ続けるしかなかった。 祭壇の央には、咲が部から持ってきた、の族旅の写真が飾られていた。を背に、屈託のない笑顔を浮かべる直。 だが、その写真の元に横たわるの棺のに、本当に私のした夫が入っているのか――その確証は、何つ得られないままだった。
葬のたい炉のにったも、棺の蓋がけられることはなかった。 点ボタンが押され、轟音とともに炎がちる。 咲が私の腰に縋り付いて号泣する、私はどこかい世界で起きている悪を眺めているような、底れぬ浮遊に囚われていた。 夫のを実できないまま、骨壷のに収められたい骨だけが、私の元に残されたのだった。