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"母の初盆を禁じた義父が、土地の名義を知った日" 第14話

娘がっていたこと

しいマンションへ移って週、織が泊まりに来た。

玄関をけるなり、部を見回す。

「すごい。お母さんらしい」

「私らしい?」

「うん。のって、お母さんが選んだものほとんどなかったでしょう」

その言葉に、私は気づかされた。

確かにそうだった。

器は義母。

カーテンは義父。

具は浩司。

壁すら、私の希望は聞かれなかった。

「これ、いいね」

織が黄いカーテンを触った。

「昔からお母さん、こういう柔らかい好きだったよね」

私は驚いた。

「覚えてるの?」

「子供の頃、緒に買い物くといつも黄とかい青を見てたじゃん。でもばあちゃんに『嫁が派なもの選ぶな』って言われてから、買わなくなった」

私は何も言えなかった。

自分でも忘れていたことを、娘は覚えていた。

夕はで作った。

母から教わった煮物と、織が好きな唐揚げ。

台所で玉ねぎを切っていると、織が突然言った。

「お母さん。私、つだけ謝りたいことがある」

「何?」

「ずっとから、お父さんに女のがいるかもしれないってってた」

包丁を持つが止まった。

「いつから?」

「おばあちゃんがくなるし」

織は申し訳なさそうに俯いた。

帰省した、浩司のスマートフォンへ女性から親しげなメッセージが届くのを偶然見たという。

名までは分からなかった。

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「でも、もし言ったらお母さんがもっと傷つくとって」

「織のせいじゃないよ」

「違う。私、お母さんがするから、言わない方がいいってったんだ」

その言葉が胸に刺さった。

私がし続けたことで、娘まで「させる」ことを覚えてしまっていた。

庭を守るため。

娘を守るため。

そうっていたが、必ずしも娘を楽にしていたわけではない。

私は包丁を置き、織の隣へった。

「ごめんね」

「お母さんが謝らないで」

「ううん。私はあなたのために耐えてるつもりだった。でも、織に配かけてたんだね」

織の目に涙が浮かんだ。

「私、お父さんとおじいちゃんたちが、お母さんのこと悪く言うのずっと嫌だった」

「うん」

「でも、お母さんが笑ってるから、私がっちゃいけないとってた」

私は娘を抱きしめた。

「これからは、嫌なことは嫌って言おう」

「お母さんも?」

「私も」

で泣きながら笑った。

夕の、母の写真のへ分のさなお菓子を置いた。

「おばあちゃんもべる?」

織が笑う。

「甘いもの好きだったからね」

その夜、久しぶりに母の話をたくさんした。

私がらなかった母と織の会話。

織がの頃、母に相談した恋の話。

母が私に内緒で織へ遣いを渡していたこと。

「おばあちゃんね、よく言ってたよ」

「何て?」

「お母さんは本当はすごくいだけど、自分で気づいてないって」

私は泣きそうになった。

母は最まで、私を信じていた。

だから鍵を残した。

を残した。

「自由になりなさい」と言った。

その言葉のを、私はかけてようやく理解したのだった。

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