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"「妻に休んでほしい」退職夫が勝手に決めた私の人生" 第4話

祝いの席で言ったこと

「これからは妻にもゆっくりしてもらいたい」。夫の言葉に拍が起こったとき、私は自分のエプロンをした。今までなら、そのまま台所へ戻っていたとう。けれど今は、私の代わりに私の気持ちを伝えてくれるはいないと分かっていた。

「修司さん。今の話、本当にそうっているの?」

夫は笑ったまま、「もちろんだよ。いこと苦労をかけたからな」と答えた。私はできるだけ落ち着いて言った。「だったら、曜の講座を別のにしろって言わないでほしい」。真帆がスマートフォンをろし、健太はグラスを持ったまま私を見た。

「その話はでいいだろう。今は俺の祝いなんだから」

「今、私に休んでほしいって言ってくれたでしょう。私もその話をしているの」

声はったよりさかった。それでも、いつものように笑って取り消すことはしなかった。夫は「仕事をやめれば楽になるだろう。おのためをって言ってるんだ」と続けた。私は聞いた。「私、やめたいって言ったことあった?」

夫はし黙った。健太が気まずそうに「母さん、今は父さんのお祝いだし」とを挟む。私は息子に向き直った。「お父さんをお祝いしたい気持ちは私も同じよ。でも私がんで仕事をやめることにして、話を終わらせないでほしいの」。息子はを閉じ、里奈がそっと孫たちの皿を自分の方へ引き寄せた。

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「俺もにいるんだから、活が変わるだろう。おにいてもらわないと困るんだよ」

夫がそう言ったとき、ようやく言葉のがはっきりした。私を休ませたいのではなく、自分の活に私をわせたいのだ。夫婦だから相談は必だし、事を全部放りしたいわけでもない。でも相談の結論がいつも私の予定を消すことなら、それは相談とは呼べない。

「困るのは、お昼を作るがいなくなるから?」

「飯だけじゃない。洗濯もあるし、荷物が届くこともある。でかけることだってあるだろう」

「でかける予定は、いつ決めたの?」

夫は答えに詰まった。私はそこで昔の満を全部並べるのをやめた。言いたいことはほどあるけれど、今必なのはつだけだった。「曜は、自分でお昼をお願い。私は講座にくし、仕事も続ける」。「仕事を続けたら、のことはどうするんだ」と夫はを押した。私は「緒に考えたい」と答えた。「私は朝の洗濯をするもあるし、修司さんが昼ににいるなら、取り込むのを頼めるでしょう」。夫は何かを言いかけたが、健太が「父さん、会社でに仕事を頼むときだって、相の予定を聞いてたんじゃない?」とを挟んだ。夫は息子を見たまま黙り、私は初めて、族の誰かが私の話を聞こうとしてくれているとじた。

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夫はテーブルの箸を見つめたまま、やがて「分かったよ」と言った。

その返事を聞いて、私はようやく子に座ろうとした。真帆が「お父さん、習い事くらいかせてあげればいいのに」と言ったので、私は娘にも伝えた。「かせてもらうんじゃないよ。くの。のことは相談するけれど、私の予定だから」。真帆は驚いた顔をしてから、「そうだね。ごめん」と頷いた。

夫が空のグラスを持ちげた。「子、コップをもうつ頼む」。さっきまで話していたことが、ほんの数秒で元に戻りそうになった。私は棚を指さした。「あそこにあるよ。自分で取って」。夫は瞬だけ私を見たが、ちがって取りにった。

そのさな来事を見て、私はきなことを言いすぎたのではないかとしだけになった。けれど、自分の器に汁物をよそい、温かいうちにむと、何も忘れていた当たりの覚が戻ってきた。私もこの卓のなのだ。

そのとき健太が、いしたように言った。「そういえば母さん、来から曜はにいるんじゃないの? 父さんから、もう話がついたって聞いたけど」。私は箸を置いた。夫が何を誰に約束したのか、初めてった。

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