"貧乏と俺を捨てた元カノ、次期社長との婚約に隠された誤算" 第11話
息子の伝票
監査の報告には、健の経費精算と勤記録の致が理されていた。張と申請されたの部に、別の所での私な支がなっている。取引先との会費として処理された領収も、参加者の記録とわないものがあった。額だけ見れば会社を傾かせるほどではないが、管理職の判断として見過ごせない。
俺は監査担当に、報告を俺の見でき換えないよう頼んだ。健が何を説するかは、本から聞かなければ分からない。事実と推測を混ぜれば、問題を正しく解決できなくなる。レオンも同し、部の顧問を同席させた面談を設けることになった。
健は最初、資料を見ようともしなかった。「営業の付きいをらないが、細かいことを言うな」と笑った。しかし勤記録と交通費の細を並べられると、表が変わった。数件については私用の支を誤って会社に請求したと認めたが、の件は確認にがほしいと言った。
正社は息子の言い訳を遮らず、最まで聞いた。そして「私はおに、会社のと自分のの違いを教えてこなかったのかもしれない」と静かに言った。健は父親の顔を見なかった。俺はそのにいていいのか迷ったが、記録を残す役割がある以、席をつわけにはいかなかった。
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会社は規定に沿って精算の訂正と返還を求め、管理職としての権限をに制限した。最終な処分は追加確認を経て決めることになった。健がすぐに職を失ったわけではないし、正社が親子の縁を切ったわけでもない。現実の問題は、鳴りい回で終わるほど簡単ではなかった。
この件で俺にも厄介な噂がった。社の息子を追い落として、釜に座ろうとしているというものだ。廊ですれ違う社員の線が気になり、会議でも余計な発言を控えるようになった。現改革のために来たはずなのに、社内の権力争いのにいるようで息苦しかった。
噂のせいで番困ったのは、若い社員が改善提案をしにくくなったことだった。俺に協力すれば健に睨まれると考えるがいたのだ。そこで提案の窓を俺個から部横断の委員会へ移し、採用の理由も記録するようにした。誰かに気に入られるための制度ではないと、形で示したかった。
初めの会議で、現のが「具の返却所を変えたい」とさな提案をした。役員から見れば些細な話でも、毎探すが積みなればきい。俺はそので決めず、倉庫担当と全担当に確認してもらった。翌、具の紛失が減ったという報告が来て、委員会にしずつ声が集まり始めた。
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野寺はそんな俺を資材置きへ呼びした。「おが来てから、うちの若い連が定で帰れるが増えた。俺はそれを見てる」と言った。机のには、現のたちがいた改善提案のが積まれていた。俺が作った成果ではない。それでも、仕事を続ける理由としては分だった。
その頃、瀬は事と相談したうえで退職願を取りげ、別の部署で仕事を続けていた。彼が以の司をどうっているのか、俺は聞かなかった。ただ、廊ですれ違ったに「今は普通に帰れています」とさく笑った。俺にはその報告が、どんな数字より嬉しかった。
夜、レオンに「俺がここにいるせいで、余計な対を作っているのかもしれない」と打ちけた。彼はしばらく考え、「誰かの嫌を守るために、事実を曲げないでほしい」と答えた。会社に必なのは継者の名ではなく、判断を説できる仕組みだという。俺は翌朝から、会議の議事録を社員が確認できる形に改めた。
その取り組みを始めた週、正社は正式に継者の選定を部委員も交えてめると発表した。候補者は俺だけではない。社内でく営業を支えてきた役員も、別の企業から来る候補者もいる。初めて俺は、自分が本当にこの会社の未来を背負いたいのか、逃げずに考えなければならなくなった。