"貧乏と俺を捨てた元カノ、次期社長との婚約に隠された誤算" 第9話
届かなかった鉄骨
していたのは、建物の補に使う鉄骨部材だった。事を予定どおり始められなければ、施設側の利用計画にも響する。俺は発注履歴を確認し、仕入先に直接連絡した。すると担当者は「注文は受けましたが、正式な発注確定の連絡がありませんでした」と答えた。
システムでは発注済みになっている。だが、仕入先に届いたのは仮の見積だけで、製作の始指示はていなかった。営業統括が承認を保留したまま、現へは『配済み』と伝えていたらしい。誰かが図に止めたのか、単なる怠なのかは分からない。
「代わりの業者を探せばいいだろう」と健は話で言った。「を積めば何とかなる。俺にいちいち確認するな」
「度や寸法が決まっている部材です。別の業者に頼むなら設計担当の確認が必です。今は着の変更も含めて、施主に説する準備をしています」
「おはいつもげさなんだよ」
話はそこで切れた。俺は野寺と設計担当に状況を共し、現でできる作業と止めるべき作業を分けた。納期を守るために全を削る選択はできない。施主には正社が同し、遅延の見込みと代替程を説した。
現を見にくと、事の始を待つ施設の担当者が、利用者向けのおらせを何度もき直していた。
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ここは齢者が通う域の集会所で、事期は別の所を借りる必があるという。遅れがれば送迎の配も変わる。俺は程表だけではなく、利用者に伝える程の覧も作り、施設側に確認してもらった。
正社はそので謝罪し、代替会の調費用について相談を始めた。会社のミスを認めることは、みを見せることではない。相が困るにできることを示すのが、信用を守る第歩なのだとじた。帰りので野寺は「今は社が現に来てくれてよかった」と言った。
数、仕入先から正式な回答が届いた。追加料を払えば縮できる程はあるが、検査に必な数は変えられないという。俺たちは現の順番を組み直し、別の所で先にめられる作業を洗いした。結果として期の遅れは最限に抑えられたが、会社の負担は確かに増えた。
施主からは、期変更をらせる文面を分かりやすくしてほしいと頼まれた。俺は専用語を減らし、利用者に響する付を先にいた。説する相によって必な報は違う。現のが使う程表と、利用者に渡す案内を同じ枚にしようとしていたことも、見直すきっかけになった。
「よく止めたな」と野寺が言った。「なら、無理やり始めて現が責任をかぶってた」
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その言葉が嬉しい方で、俺は放しではべなかった。原因が分からなければ、同じことは繰り返される。監査担当は発注確定の履歴を調べ、承認を保留した端末が営業統括のものだったと確認した。ただし、その端末を誰が操作したかまでは記録されていない。
正社は息子を呼び、説を求めた。健は「な案件がなっていた」と答え、部の管理を理由にした。瀬はすでに別部署で働いており、問題の端末に触れられない。俺はその事実を報告に記し、これ以の推測を加えなかった。
その夜、守が俺に本の話をかけてきた。「涼くん、健さんが今、社で言ってたことを聞いた?」
「何ですか」
「『どうせ俺が次の社になるんだから、今のうちに言うことを聞かせる』って。正さん、何も答えられなかったそうだよ」
俺は受話器を握り直した。会社の仕組みを直しても、次に権限を持つが同じやり方を続ければ元に戻ってしまう。正社は今、本当に継者を選び直そうとしているのだろうか。