みかん小説
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"生け垣を伐った4日後、隣人が青ざめた理由" 第19話

旅つと、誰もいない見送り

の初旬、桜のびらがをう頃。 隣の邸のに、台のさな軽トラックがまっていた。 売却の続きが完し、美津がこのをるだった。

敏夫との婚は正式に成し、は相よりもかなりい価格で隣の産業者に買い取られたという。 ローン残債と違約、解体費用を精算した美津の元には、ほとんど何も残らなかったとの噂に聞いた。 荷台に積まれているのは、わずかな装ケースと、古びた単能の子レンジ、さな布団組だけだった。 かつてサンルームに並べていた級な輸入具も、ブランド品のエプロンも、すべてリサイクルショップへ束文で引き取られていったという。

美津は、な黒いスウェットにマスクをくつけ、俯いたまま助席に乗り込もうとしていた。 かつてあれほど誇らしげに見せびらかしていた姿はどこにもなく、ただ周囲の線を恐れるように、さく丸まっていた。

隣の民は、誰として見送りに現れなかった。 あれほど派に振るい、自話を撒き散らしていた女の最は、言葉を交わす友もなく、ただ淡な沈黙のに打ち捨てられていた。 通りかかった学たちが、美津のを瞥し、何事もなかったかのように通り過ぎていく。

私は、扉の内側にち、静かにその景を見届けていた。 憎しみも、勝利の優越も湧かなかった。 ただ、の境界線を侵し、見栄のために嘘をねたが辿り着く、寒々とした荒野を見るような、静かなれみがあるだけだった。

軽トラックのエンジンがかかり、煙をげてゆっくりとりした。 美津は度もがを振り返ることはなかった。 そのまま角を曲がり、ざかっていくの音を聞きながら、私はく礼した。 これで、すべてが終わったのだ。 あの騒も、理尽な悪も、すべてののに溶けて消えっていった。

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