"生け垣を伐った4日後、隣人が青ざめた理由" 第15話
引き裂かれた夫婦と半
サンルームの解体事が終わった翌週、邸の郵便受けに、枚の産会社のチラシが投函されているのを所のが見かけた。 【売・築浅戸建て】。
ので、決定な破局が訪れていた。 解体事費用とがへの損害賠償・原状回復費用で、百万円くの貯蓄が瞬で消しんだ。 さらに、悪質な違法建築として役所のブラックリストに載ったことで、宅ローンの借り換えも拒否され、毎くのしかかる返済に、敏夫の料だけでは耐えられなくなったのだ。
「あんたのせいよ! あんたが私を庇わずに、あのババアにペコペコをげるからよ!」 夜半、締め切った窓の隙から、美津のヒステリックな声がへ漏れ聞こえていた。 「を売るなんて絶対に嫌! 私のなのよ! 婚してやるわ! 慰謝料をよこしなさい!」
それに対し、これまで妻の言いなりだった敏夫が、をうようなたい声で言い放った言葉が、静まり返った通りに響いたという。 「ああ、望むところだ。婚届なら、もうここに署名してある。……慰謝料を払うのは、庭を破滅に導いたおの方だ」
敏夫は、美津がリフォーム業者からリベート(キックバック)を受け取り、それを自分のブランド品購入に充てていた裏帳簿を、興信所を使って突き止めていたのだ。
見栄のために法を犯し、夫を騙し、隣を脅迫した女。 その化けの皮が完全に剥ぎ取られた、夫婦という名の砂の楼閣は、音をてて崩れった。
の初旬、敏夫はでスーツケースを抱え、をていった。 残された美津は、売却が決まるまでの、カーテンを締め切った暗いので、息を潜めて暮らすしかなかった。 夜になると、灯もつけず、え切った部ので、呆然とテレビのかりを見つめている美津のが、すりガラス越しにぼんやりと浮かびがっていた。 かつてあれほど誇らしげに語っていた「庭付き戸建てでの優雅な暮らし」の結末が、この完全な暗と孤独だった。 からた錆とはいえ、あまりにもれで、救いのないの景だった。