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"生け垣を伐った4日後、隣人が青ざめた理由" 第6話

のに晒された侵奪

「な……なんですって……!?」 私の喉から、かすれた声が漏れた。 親方が示す面の赤い境界標から、隣のサンルームの基礎コンクリートの端まで、巻き尺の目盛りがピンと張られている。 目盛りが示す数字は、センチ。 本来であればがの所であるはずののに、邸のサンルームの側の基礎、そしてガラス張りの壁面が、約メートルにわたって堂々と居座っていたのだ。

「奥さん、見てごらんなさい」 佐々親方はだらけのスコップの先で、した基礎の断面を指した。 「これまでメートル以のいイヌマキのけ垣がびっしりと茂っていたから、のからも、お宅の庭からも、サンルームの元がどうなっているか全く見えなかったんだ。……だが、を根こそぎ抜いたおかげで、境界杭も、このっ張りも、のに丸見えになっちまった」

の記憶が、鮮烈に甦ってきた。 を建てた当、政治が図面を引きながら、笑って私に言っていた言葉。 『ふみ子、隣の敷との境目には、たっぷり余裕を持たせてを植えるよ。境界線ギリギリに植えれば、将来どんなが隣に来ても、枝や根で揉め事になる。自分のを半メートルほど相に譲るくらいの気概で控えておけば、波はたんからな』

几帳面で、誰よりも隣との調をんじていた政治。

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その慮謀の優しさが、け垣という美しい緑のカーテンとなって、がを包み込んでいた。 ところが――に越してきた美津は、そのけ垣を「がの敷の境界線」だと勝にい込み、あろうことかけ垣の葉先スレスレまで、がの敷を侵してサンルームを建て増ししていたのだ。

「親方……これ、どうすればいいのでしょう」 私のが、さく震えた。 「奥さん、素が目分量で騒いじゃいけねえ。すぐにりいの腕利きの調査士を呼びましょう。きっちり械を入れて測量図と照し、法な公図と照らしわせるのが筋ってもんです」

親方はそので携帯話を取りし、信頼できる調査士へ連絡を入れてくれた。 その、私は呆然と、丸裸になった境界線を見つめていた。 ふと線をじて隣の階を見げると、カーテンの隙から、美津がのように真っな顔をしてこちらを覗き込んでいた。 目がうと、カーテンがバサリと乱暴に引かれ、窓の鍵がガチャリと閉まる音が響いた。

(美津さんは……っていたのかしら。それとも、業者任せでらなかったのかしら……) どちらにせよ、事態はもはや「落ち葉が迷惑だ」という次元を遥かに超え、取り返しのつかない法な紛争の領域へとを踏み入れていた。

け垣を切らなければ、この侵奪は永にのに隠されたままだった。 美津が自ら役所へ通報し、私にけ垣を伐採させた為こそが、己の法為を暴きす引きを引いたのだ。 因果応報という言葉のみが、私の背筋をたく撫でげていった。

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