"親族会議で追放された妻――翌朝、七枚のカードが全停止" 第11話
「紗良……なのか」
面談の扉をけた、翔平はちがれなかった。
私はと同じような黒いパンツスーツを着ていた。
違うのは、もう彼の妻ではないということだけだった。
翔平は私を見た。
次に、机のの通を見る。
そしてもう度、私を見る。
「……紗良?」
「久しぶりね」
「これ……」
声が震えていた。
「この会社……おの?」
私は向かいの子に座った。
「正確には、私が創業した持株会社よ」
翔平の喉がいた。
「嘘だ」
「そううなら、帰ってもいいわ」
「嘘だ!」
突然きな声をした。
「おはで何もしてなかったじゃないか!」
私は彼を見た。
「何もしていなかった?」
「だって……お、普通の女だっただろ。ブランド物にも興ないし、会社の話なんか度も……」
「話そうとしたわ」
翔平が黙った。
「結婚したばかりの頃。覚えてないでしょうけど」
私はの会話をそのまま伝えた。
私が仕事の話をしようとした、彼はテレビから目もさず、
「難しい話はいい」
と言った。
「あなたは私のことをろうとしなかった。だかららなかった。それだけよ」
翔平の線が机の類へ落ちた。
「じゃあ、あのも」
「会社の所」
「別荘も?」
「同じ」
「カードは……」
「私のグループが保証していた追加カード」
「会社の融資は?」
「部は保証をしていた」
翔平は両でを抱えた。
「じゃあ……俺の会社がきくなったのも」
私はしを置いた。
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「あなた自が取った仕事もあるわ。社員が努力した成果もある。全部が私のおかげだなんて言うつもりはない」
翔平が顔をげた。
瞬だけ希望のが戻る。
私は続けた。
「でも、あなたが自分の実力だとっていたほどではなかった」
希望は消えた。
私は静に説した。
最初は、さな押しのつもりだった。
会社を続けるための信用。
族がして暮らす。
困らない程度のカード。
仕事を増やすための紹介。
私はのつもりで与えていた。
けれど彼らは、それを権利だとうようになった。
「何で言わなかったんだよ」
翔平が絞りすように言った。
「俺に全部言っていれば……」
「何が変わったの?」
私は尋ねた。
翔平は答えられない。
「私が資産だとっていたら、親族会議で追いさなかった?」
沈黙。
「それなら、それは私をしていたことにならないでしょう」
翔平の顔が歪んだ。
私はそこで初めて、彼の目に涙が浮かぶのを見た。
「悪かった」
「何が?」
「全部だよ」
「具体に言って」
翔平は黙った。
私はった。
結局、分かっていない。
を失ったから謝る。
カードが止まったから謝る。
会社が傾いたから謝る。
私が傷ついたことについては、まだ何も言えない。
「億千百万円って……」
翔平が震える指で類を指した。
「こんなの払えるわけないだろ」
「全額を今払えとはいてないでしょう」
実際には、法務部は返還協議を求めていた。
裁判もしていない。
方に財産を奪えるわけでもない。
私はそこまで歪んだことをするつもりはなかった。
「会社とあなた個、それぞれ責任範囲を精査する。必なら分割も協議する」
「じゃあ……助けてくれるのか」
その言葉を聞いた瞬、私はちがった。
「違うわ」
翔平の顔からまたが消えた。
「私はもう、助けるではないの」
私は面談をた。
背から、
「紗良!」
と呼ぶ声が聞こえた。
ち止まらなかった。