"親族会議で追放された妻――翌朝、七枚のカードが全停止" 第9話
の帳簿
私は復讐のために過を調べ始めたわけではない。
婚した以、自分の会社の資産と契約を理する必があった。
それだけだった。
だが理すればするほど、私が見過ごしてきたものが数字になって現れた。
カード利用履歴。
級レストラン。
宝飾品。
旅。
会員制クラブ。
輸入の維持費。
義母のエステ。
義父のゴルフ会員権。
義弟の旅代。
それらのには、福利や接待費として認められていたものもある。
ただし、らかに範囲を超える支も増えていた。
私は経理担当者に尋ねた。
「なぜ止めなかったの?」
彼女は申し訳なさそうに答えた。
「会のご族だから、く言えませんでした」
その言葉が胸に刺さった。
結局、私の甘さが会社のにまで負担をかけていたのだ。
私は、族を守っているつもりだった。
実際には、族という名目で境界線を曖昧にしていた。
「過分を全部返せとは言わないわ」
私は黒田に言った。
「正式に認められていた利用まで、から否定するつもりはない」
「はい」
「ただし、契約の利用と、会社資の私流用については理して」
「すでに監査に入っています」
そのの午。
宮田商事の社内監査からも問題が見つかった。
翔平が自分の会社の経費として計していた支のに、私なものがいくつも含まれていた。
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これは私が作った問題ではない。
本の経営管理の問題だった。
私はそこにを加えなかった。
ただ事実を事実のまま処理した。
夕方、野が枚の覧を持ってきた。
「現までに確認できた、当社側への返還請求候補です」
額を見た。
億千万円。
源泉は複数あった。
法カードの契約利用。
無断で親族へ転貸されていた社用。
翔平の会社へ貸し付けたまま返済が滞っている資。
産の部修繕費を、会社と無関係な親族イベントへ流用した記録。
私はしばらく数字を見た。
原素材のような「百億円」ではない。
それでも、個には分すぎる額だった。
「全部を括で請求するの?」
野が尋ねた。
「いいえ」
私は首を横に振った。
「法務と監査で、請求根拠が確なものだけに絞って」
私は彼らを破滅させたいわけではなかった。
自分たちが使ったものを、自分たちの責任として受け取ってほしかっただけだ。
それでも翔平にとっては分だった。
自分が億万者だとっていた男が、実際には億単位の債務を抱えている能性を突きつけられる。
翌。
翔平から件目の話があった。
留守番話には、これまでになかった言葉が入っていた。
『紗良……悪かった』
私はを止めた。
。
私は何度も欲しかった。
その言を。
義母に侮辱された。
私の仕事を笑われた。
親戚ので政婦のように扱われた。
私は翔平に、「悪かった」と言ってほしかった。
それなのに、なぜ今になって。
答えは分かっている。
私を失ったからではない。
を失ったからだ。
私は留守番話を削除した。