みかん小説
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"愛人が妊娠、離婚を迫る夫が私の退職に大慌て" 第18話

座の老舗と、しい族の絆

初の爽やかなが座のを吹き抜ける曜の正午。 私は座丁目にある老舗料亭『吉兆』のれの個にいた。

「ももかさん、待たせてしまったかい?」 引き戸がき、品な絽の着物をに纏った志津子会が入ってきた。 取りは以よりもずっと軽やかで、その表には柔らかな笑みが湛えられていた。

「いいえ、私も今着いたところです。お義母様、お元気そうで何よりです」 私がちがって迎えると、志津子は「もう義母じゃないんだから、志津子さんでいいよ」と笑いながら、私の向かいの席に腰をろした。

婚が成してからも、志津子と私はに度、こうしてきりで事を共にする関係を続けていた。 会社の最権力者とナンバーツーの役員というビジネスパートナーとしての関係であり、同に、血縁という枠組みを超えた「の同志」としての絆だった。

運ばれてきたのは、目にも鮮やかな初の懐料理。 鮎の塩焼きに、蓴菜の吸い物、そして涼やかなガラス器に盛られた鱧の湯引き。 「美しいですね、志津子さん」 「ええ。こうしてあんたと気兼ねなく美いものをべるのが、今の私の何よりの楽しみだよ」

志津子はグラスの酒を含み、ふと目を細めて私を見つめた。 「也から聞いたよ。

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今期のアメリカ企業との提携、あんたが主導して契約をまとめたんだってね。役員たちも、あんたの腕に脱していたよ」

「也社が技術な裏付けを完璧にえてくださったおかげです。今の武田業は、通しが良くて、本当に仕事がやりやすいです」 私が笑顔で答えると、志津子は満そうにく頷いた。

「徹の奴から、また泣きつきの話があっただろう」 「……はい。先、度だけ」

志津子はさくため息をつき、静かに首を横に振った。 「けないことだ。だがね、私はあいつを度と本社には戻さないよ。自分の犯した罪のさを、定まであの倉庫の寒さので噛み締めさせる。それが、親としての最の責任だからね」

志津子は私のをそっと握り、真っ直ぐに私の瞳を見つめた。 「ももかさん。あんたが自分の力でに入れたその自由と尊厳を、これからも決して放すんじゃないよ。あんたは私の、自の娘なんだから」

「はい。から、謝しています」 窓のに見える庭の林が、初のを浴びて青々と輝いていた。 条理な結婚活の果てに私がに入れたものは、失われたを補って余りある、真実の敬と、かけがえのない関係だった。

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