"愛人が妊娠、離婚を迫る夫が私の退職に大慌て" 第11話
連のパトカーと暴かれた共犯
玄関のに響いたの警察官のい靴音が、廊を伝ってリビングへとづいてきた。 リビングのドアが押しかれた瞬、美咲は目を見き、ずさりしてソファの背もたれに激突した。 「美咲さんですね。武田業株式会社における業務横領および私文偽造・同使の疑いで、任同をお願いします」
巡査部が帳を掲げ、事務な調で告げた。 その制姿を目にした途端、美咲の顔から傲なは完全に消え失せ、狂乱したような甲い叫び声をげた。 「ち、違います! 私は騙されたんです! 経理部の鈴に命令されて、領収にハンコを押しただけなんですよ! 私だって被害者なんです、お巡りさん、信じてください!」
美咲は両を激しく振り乱し、若い巡査の腕に媚びるように縋りつこうとした。しかし、警官たちは慣れたつきでその腕を制し、ややかに線を向けた。 「その鈴元経理部は、すでに本の午、本社くの喫茶で柄を確保され、署で詳細を供述しています。あなたが主導し、ホストクラブのツケやブランド品の購入代として会社資を還流させていた事実、すべて裏付けが取れていますよ」
「鈴のクソ野郎……! あんなに私のではペコペコしてたくせに、全部吐いたわけ!?」
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品な本性を剥きしにしてを踏み鳴らす美咲。 その醜態を、ソファの横にち尽くしていた徹は、ただを半きにして見つめることしかできなかった。 「美咲……お、俺のでは『社の役にちたい』って……実の借のために爪にを灯してきてるって……全部、全部嘘だったのかよ……!」
美咲は連されようとする寸、を止めて徹をギロリと睨みつけた。 その瞳には、かつて徹を蕩けさせた甘い差しなど微もなく、傍の汚物を見るような底れぬ侮蔑が宿っていた。 「当たりでしょ、この抜け面! あんたが社じゃなかったら、誰がこんな男の相なんかするもんですか! し目を遣って『跡取りができた』って言えば、奥さんを追いして私を社夫に据えてくれるとったからをしてあげたんじゃない! 社をクビになったただの無能なんて、粗ゴミ以よ! 顔も見たくないわ!!」
「な……っ!」 徹が絶句する、警察官は「はい、もう結構です。きましょう」と美咲の肩を押し、リビングから連れした。 玄関先から「しなさいよ! 弁護士を呼びなさい!」という美咲のヒステリックな絶叫が夜に溶け、やがてパトカーのドアが閉まる鈍い音が響いた。
静寂が戻ったリビングで、徹は膝から崩れ落ち、を抱えて激しく嗚咽し始めた。
代の美にされているという甘いは、警察のによって無残に砕され、彼の元には、自らが裏切った族と、失われた位の残骸だけが残されていた。