"同窓会でビールを浴びた私に、51人の男が最敬礼" 第14話
のが抜ける
同じ頃。初の陽がよくり注ぐ、の故郷の。
線沿いのに建つ梅本のの縁側には、爽やかな初のが吹き抜けていた。
庭先には、母が丹精込めて育てた青い陽が瑞々しく咲き誇り、鈴がチリンと涼やかな音を奏でている。
縁側に腰掛け、温かいほうじ茶の湯呑みをに微笑みっているの女性の姿があった。
等な綿の絣を着た瑞と、その隣で穏やかに目を細める老母だった。
「瑞……本当に、よく帰ってきてくれたねえ」
母の節くれだった温かいが、瑞のを優しく包み込んだ。
「苦労ばかりさせて、けない母親だったのに……派になって。蔵さんも、本当にのきな、優しい方で……」
「お母さん、苦労だなんてったこと度もないわよ」
瑞は母の肩にそっと寄り添った。
「お母さんが夜なべして繕ってくれたあの制があったから、私、どんなことがあっても背筋を伸ばしてきてこられたの。恥ずかしいことなんて、つもなかった」
庭の戸がコトコトと鳴り、「瑞ちゃん、おばさん、こんにちは!」とるい声が響いた。
買い物籠を抱えて入ってきたのは、見違えるようにるい笑顔を取り戻した美代だった。には、採れたての玉ねぎと作りの惣菜が入っている。
「美代ちゃん、いらっしゃい。
ちょうどお茶を淹れ直すところだったのよ」
母が嬉しそうにちがり、美代を縁側へと招き入れる。
の笑い声が、穏やかな初の空へと溶けていく。
暴力や恐怖でを屈させても、そこに残るのは虚無と破滅だけだ。
誰かの痛みに寄り添い、理尽な悪に晒されても自らの尊厳を失わず、凛としてち続けた者だけが、本当の誇りと、かけがえのない温かな絆をに入れることができる。
島紬のい青のように、幾にもねられた誠実な歳は、決して褪せることはない。
から吹き寄せる爽やかなが、瑞の黒髪を優しく揺らしていた。その瞳は、過のすべての傷を乗り越え、り輝く未来の空をまっすぐに見据えていた。