"現地払いの還暦旅行" 第2話
現払いという条件
曜の昼休み、俺は幼なじみの文太に話をかけた。文太は伊豆の沿いにある「グランドホテル・サンライズ」の支配をしている。代は同じ部活で汗を流し、社会になってからもに度は顔をわせる仲だ。忙しいを避けて話したつもりだったが、度目の呼びし音が鳴るにた。
「弘志か。珍しいな。仕事の相談なら予約課に回すぞ」
「義父の還暦祝いで、来の週末にスイートを部取りたい。泊だ。側で空いてるか」
文太は付を確認し、しばらく端末を操作した。偶然、改装に販売を再した客が部続けて空いているという。俺は堵したが、料を聞いて背筋が伸びた。宿泊と基本の事だけで百万円をきく超える。エステや酒が増えれば、百万円くになる能性もあった。
「支払いは事にできるのか」と俺は聞いた。
「その宿泊プランはチェックアウトの括精算だ。予約のカード登録だけでは決済しない。追加サービスも最にまとめる。ただしチェックインのとき、実際の支払責任者を確認して署名をもらう」
俺はその仕組みを聞き直した。予約をしたと、費用を引き受けるが別でもよいのか。文太は、ホテルの規定に沿って当事者が同し、必な確認を済ませれば能だと説した。
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予約名義だけで俺に全額を請求するわけではない、とも言った。
「族旅なのに、やけに慎だな」
「相の希望が増え続けていてさ。まず額を見せて、本たちにも理解してもらいたいんだ」
「分かった。見積もりと、現での精算確認の案内を送る。俺も現には話を通しておくよ。ただ、りいだからって規定を曲げたりはしないぞ」
「それでいい。むしろ助かる」
話を切ると、俺は見積を作り直した。基本宿泊費、事、追加注文の扱い、キャンセル条件、そして「最終精算はチェックアウト、現にて」と記した。旅のしおりもページにまとめ、最のページには額と確認事項をきな文字で載せた。
夕方、義父に話をして内容を説した。「泊、部です。現で追加した分も含めて、チェックアウトに細がます。現で支払う代表者の確認が必です」と言うと、義父は面倒くさそうにを鳴らした。
「俺が代表でいい。会社でも部の張精算くらい見てきた。おはホテル代を用しておけばいいんだ」
「おを誰がすかと、ホテルに対して誰が責任を持つかは別の話ですよ」
「分かった、分かった。俺が代表者だ。それで満か」
俺は通話内容を帳に残し、しおりの確認をお願いするメッセージを送った。義父からは「解」
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の文字が返ってきた。のため族全員がいるグループにも資料を送り、精算欄だけは必ず読んでほしいといた。
その夜、美奈子から届いた返事は「ページもあるの? の宿題じゃないんだから」というものだった。義母は酒の銘柄だけを追加で指定し、優希は既読をつけただけ。俺は何度も同じ説をしたくなかったので、な欄を画像にしてもう度送った。
翌朝、義父から「おは旅なんだから、当は面倒をかけるなよ」と連絡が来た。俺はく承しましたと返したが、文太から届いたホテルの確認を印刷し、別の封筒に入れた。誰かがから「聞いていない」と言いしたとき、言った言わないの争いだけは避けたかった。
予約課からは、客ごとの定員と宿泊者名簿についても確認が届いていた。なら部で分だが、宿泊者が増えるは必ずホテルへ申告しなければならない。俺はその案内もグループに転送した。優希だけが「もし途から誰かが泊まるなら?」と質問し、俺が「本確認と追加料が必」と答えると、「ふうん」と返してきた。友を夕に呼ぶだけなら、泊まる続きなど気にしないはずだった。
それでも、俺にはつだけ引っかかることがあった。宿泊者は俺を含めてなのに、優希はなぜか、ホテルの客配置を何度も尋ねてきたのだ。
とくに、俺たち夫婦が泊まる部の鍵を何枚受け取れるのかを。