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"同窓会で頭取の娘に脅された俺、300億を全額解約" 第10話

暴かれた件の隠蔽記録

机のに晒された名刺の裏文字を、久取はい入るように見つめた。 その老いた両が、テーブルのでギリギリと音をてて握り締められる。 取の隣で、コンプライアンス部の宮が、分いファイルをもう冊取りした。

「堀社。……本、取のいご指示により、本来であればである弊の内部通報記録の部を、こので示いたします」 宮がファイルをき、淡々と読みげ始めた。 「久エリ調査役に関する、過のコンプライアンス相談窓への通報記録です。……総件数、件」

エリが弾かれたように顔をげ、絶望に目を見いた。 「な……宮部!? それ、社秘じゃ……!」 「黙りなさい!」 久取のをうようなが、エリの声を圧殺した。 取の双眸には、娘へのなど微もなく、ただ組織のとしての峻烈なりと、親としての底れぬ恥辱が燃え盛っていた。

宮が類から目をさず、告発を続ける。 「件目。、営業において部の女性員に対し、『私のパパに言えば、あなたのボーナス査定なんて発でげられるのよ』と威圧し、私な買い物のパシリをした事案」 「件目。本部異、融資審査部の担当者に対し、自のが経営するの融資審査を優先するよう求し、『パパに相談してもいいのよ』と恫した事案」

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「件目および件目。取引先企業の若経営者との会において、取令嬢のを誇示し、当な接待を求した事案……」

次々と読みげられる、の毛のよだつような職権乱用の記録。 「……これらの通報は、いずれも調査役の父親が取であるという事実への恐怖から、通報者本が『表汰にしないでほしい』と取りげを求め、事部預かりとしてに葬られておりました。……しかし、今回のアサギホールディングス様への祥事を受け、過の全記録を再調査した結果、すべて事実であると認定されました」

宮がファイルをパタンと閉じた。 応接のに、苦しい沈黙が落ちる。 「……エリ」 久取が、初めて娘の方を向いた。その声はく、乾ききっていた。 「おは、同窓会の夜、堀社ので何と言った。『パパに頼んで取引を打ち切ってもらう』と言ったな。……そして、曜の夜、私が倒れた病院でも言った。『パパ、なんとかしてよ』と」

エリの目から、粒の涙がボロボロと零れ落ちた。 「パ……パパ……だって……私……」

「その甘えが! その腐りきった特権識が! この件の正をみ、ががかけて築きげてきた信用を、瞬で燼に帰せしめたのだ!!」 久取が、拳で机を激しく打ち据えた。 ドォン、という鈍い音が響き、湯呑みの茶が波打つ。

「堀社。……申し訳ございませんでした」

久取は再びちがり、テーブルに両をついて、く、くをげた。 「百億円の預引き揚げ、全面に受諾いたします。弊に、貴社のおをお預かりする資格は、もはや欠片もございません」

すべてが終わりを告げようとしていた。 だが、その――。 これまで沈黙を守っていた俺が、ゆっくりとをいた。

「久取。……をおげください。資の解約続きをめるに、つだけ、あなたにお話ししておかなければならないことがあります」

取が怪訝そうに顔をげた。 俺はスーツの胸元から、古びた帳を取りし、に封印した「ある真実」を静かに語り始めた――。

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