"「慰謝料500万円」ママ友が出した弁護士の名刺に驚愕" 第2話
公園のベンチにいた
かほど過ぎた曜、すももと公園へかけた。娘は砂に裁判所を作ると言って、プラスチックのスコップを持ってりした。私はのベンチで筒をけ、仕事用のスマートフォンに届いていた事務所からの連絡を確認した。
「ママ、あそこに被告みたいながいる」
娘が指さした先に、浦夫妻が座っていた。織さんは以のるいのではなく、くたびれたパーカー姿だった。健也さんは膝に肘をつき、とも互いを見ないまま険しい顔をしている。
「を見た目で被告にしちゃ駄目よ」
そう注してちろうとしたが、織さんに見つかった。彼女はちがり、私たちの方へにづいてきた。「ちょうどよかった」と言う声に、のような余裕はなかった。
「バットコインががったの。買ったときの半分以よ。なのに借の返済は待ってくれないのよ」
話を聞くと、最初の百万円に加え、値がりしたところでさらに買い増しをしたらしい。健也さんは「おが絶対にがると言った」と妻を責め、織さんは「あなたも賛成したでしょう」と言い返した。娘のでこれ以続けてほしくなかった。
「返済が難しいなら、借入先と条件を確認して相談した方がいいといます。資料を理するところからなら伝えますよ」
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私はできるだけ穏やかに提案した。借を抱えたが恥ずかしさから相談を先延ばしにし、状況を悪くする例を仕事で何度も見ている。だが織さんが欲しかったのは、助言ではなかった。
「ひまりさん、万円だけ貸して。いいを着てるし、余裕あるんでしょ」
「おは貸せません。返せる見通しがないまま借りても、苦しくなるだけです」
「けちね。私たちが困っているのを面がってるんでしょう」
すももが私のにた。「ママは面がってないよ。困っているの話を聞く仕事をしてるんだから」。私は娘の肩にを置き、もう帰ろうと促した。織さんは娘にまで「気」と吐き捨てた。
帰り、すももはしばらく黙っていた。信号待ちのとき、「マリちゃんは悪くないよね」とさな声で尋ねた。浦夫妻の娘、マリちゃんはすももと同じクラスだ。私は娘のを握り直した。
「もちろん。お父さんとお母さんの問題と、マリちゃんは別よ。学で何か聞かれても、勝に話を広めないでね」
娘は頷いたが、その表には納得しきれないものが残っていた。の揉め事は、った以にく子どもの世界へ入り込む。だからこそ私は、浦夫妻とは距を置こうと決めた。
その夜、見らぬアカウントからLINEにメッセージが届いた。『ひまり、昨は楽しかったね』『次はきりで会いたい』『してる』。
送り主の表示名は『けんや』だったが、私はそのと個なやり取りをした覚えがない。
最初は迷惑メッセージだとった。だが、差のアイコンには公園で見た健也さんの顔が写っている。しかも文面は方で、こちらから送った形跡は件もなかった。
私は画面を保し、が分かる形で記録してから、相を非表示にした。職業柄、気の悪い連絡ほど消さずに残す癖がある。翌朝には『昨のことは内緒にしよう』という追伸まで届いていた。
誰に何を隠そうとしているのか。私は返信せず、送信者とメッセージの刻をノートにき留めた。そのさな作業が、数に私と娘を守る最初の証拠になるとはわなかった。