みかん小説
本棚

"「嫁は廊下で寝ろ」私が二度と帰らなかった理由" 第14話

何もしない嫁がいなくなった

義実をてから、私は度も戻らなかった。

孝介からは何度も連絡が来たが、必なこと以は真柴先を通すようにした。

義父から半ばに話があった。

「あの、で回らなくなったよ」

し疲れた声だった。

最初に困ったのは洗濯だった。

義母は「もう子供じゃないんだから自分でやりなさい」と孝介の洗濯をやめた。

孝介は洗濯をまともに回したことがなく、でワイシャツがりなくなった。

次は用品。

トイレットペーパー、洗剤、麦茶。

通販で注文していたがいなくなり、義母はスーパーからい袋を抱えて帰ってきた。

形科の予約は取れなかった。

通帳の記帳にも誰もかなかった。

親戚から届いた法事の案内にも返事ができずにいた。

義父が苦笑した。

「『のことを何もしない嫁』だったんだろ」

私は黙っていた。

「その何もしない嫁がいなくなったら、何もできないが残った」

胸がすっとしたわけではなかった。

むしろ、し寂しかった。

私が黙って続けてきたことは、誰にも見えていなかった。

なくなって初めて、仕事として形を持ったのだ。

義母は仙台の義父へ毎晩のように話をしたという。

「あなた、く戻ってきて。私じゃ無理なの」

義父は答えた。

「自分で追いした嫁の代わりを俺にさせるな」

広告

、義父は仙台から戻り、孝介にも言った。

「このをろ。自分の暮らしは自分で回してみろ」

義母は「私をにするの?」と泣いた。

義父は静かに答えた。

「になるのが嫌で嫁を元に置こうとして、その嫁を追いしたのはおだ」

初め、孝介は勤務先くのワンルームへ移った。

親戚のLINEグループも静かになった。

義父が訂正文を投稿したからだ。

《の夜のみつ子のき込みは事実と異なります。恵里さんは仕事から帰宅したところ、私の族により寝から追いされました。恵里さん、そしてお母様にからお詫びします》

いつもグループにほとんどき込まない義父の文章だった。

そのの夜、佳代さんが夜のコメントと笑顔のスタンプを削除した。

さらに義父側の親戚から義母へ話があったらしい。

「嫁さんの布団を廊にして、写真まで撮って親戚に配ったのか。それで俺たちに何を言ってほしかったんだ」

それだけ言って話を切ったという。

義母は親戚ので私を笑いものにしようとした。

けれど結果に、親戚が覚えたのは廊に置かれた布団ではなく、それを撮して得げに送った義母のだった。

。

義父は千葉の母の団まで謝罪に来てくれた。

狭い玄関でくをげる。

「うちの族が娘さんを廊へ追いやりました。お母様のことまで親戚ので悪くきました。本当に申し訳ありません」

母はしばらく義父を見たあと、穏やかに言った。

「顔をげてください」

それから私をちらりと見た。

「娘から聞いています。あの子は、自分で帰るを持っていたそうですから」

母は笑った。

「夜に帰っても、誰にも責められない。それなら私は分です」

帰り、母は私の腕にをかけた。

「働く女の帰りを待ってくれる、あんた自分で作ったんだね」

「待ってくれるはいないけど」

「そのうち見つかるよ」

私は首を振った。

「お母さんがずっと待っててくれたから、作れたの」

母は何も言わず、私の腕をしく握った。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: