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"「嫁は廊下で寝ろ」私が二度と帰らなかった理由" 第13話

「丸く収まる」とった夫

沈黙を破ったのは孝介だった。

「俺は……母さんがぶとっただけなんだ」

誰も返事をしなかった。

「恵里が仕事辞めてに入れば、みんな丸く収まるとった」

義父が息子を見た。

「丸く?」

声は静かだったが、孝介は怯えたように肩をすくめた。

「おは母さんの嫌と妻のを秤にかけて、母さんの嫌を取っただけだろ」

「だって母さんが泣くから」

今度は義母が孝介を睨んだ。

「あんたが言ったんでしょ。経ったら辞めるって」

「母さんがじゃ嫌だって泣いたから言っただけだよ。本当に辞めさせられるとは――」

「じゃあ私に嘘ついたの?」

が言いいを始めた。

誰が先に言った。

どちらが悪い。

自分はそんなつもりではなかった。

けれど私には、もうどうでもよかった。

とも、自分の言葉が私へ何をしたかより、どちらが責任を負うかを争っている。

「やめろ」

義父のい声では黙った。

私は膝の横に置いていた鞄へを添えた。

「私、しばらく別居します」

孝介が弾かれたように顔をげた。

「別居って……」

「真柴先という弁護士に相談しています」

孝介の表が変わった。

「弁護士?」

「から相談しています。このでされたこと、言われたことはから記録しています。今の連絡は、必に応じて先を通してください」

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孝介は呆然としていた。

「って……」

「あなたが私に相談もせず、私が会社を辞めることにしていたと分かった」

義母も私を見つめている。

孝介はしばらくして言った。

「でも夫婦って緒にむもんだろ。勝にていくなんて」

「私は勝にていったわけじゃない」

私は夫の目を見た。

「廊で寝ろと言われたから、別ので寝ると言ってたの。あなたもそのにいたでしょう」

孝介は黙った。

その、義母が急にるい声をした。

「恵里さん。今から部へ戻っていいのよ」

私は何も言わない。

「押入れの物も移すわ。布団だってちゃんとへ戻すから」

昨、「嫁に部なんて贅沢」と言っただった。

私が百の会社の社だとった朝から、まだ半しか経っていない。

「部はいりません」

義母が目を見いた。

「でも……」

「自分のがありますから」

義母は言葉を失った。

義父が座布団からり、畳に両をついた。

「恵里さん。本当に申し訳ない」

私は慌てた。

「お父さん、をげてください。お父さんは悪くありません」

義父は首を振った。

「いや。の話で、恵里さんが『丈夫です』と言った、俺は本当じゃないと分かっていた。それなのに、仙台から戻らなかった」

顔をげて、まっすぐ私を見た。

「孝介を許してやってくれとは言わない」

私はし驚いた。

「恵里さんが決めたことなら、俺はそれを尊する」

内の謝罪なら最に「許してやってくれ」と言われるものだとっていた。

義父はそれを言わなかった。

私の判断を、私のものとして受け取ってくれた。

それだけで分だった。

し、私は義実をた。

玄関で靴を履きながら度だけ階を見た。

私の布団はまだ廊に置かれていた。

持って帰る気はなかった。

あれはもう、私の寝具ではなくなっていた。

あのが私にしたことを、そのまま残している証拠のように見えた。

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