"「3月末に出ていけ」離婚を迫る夫が知らない真実" 第7話
の嵐との契約
、曜。
桜の蕾が今にもきそうなほどに膨らんでいた。 伊佐美は朝番で区役所の民課窓へ向かい、バッグから枚の用を取りした。
秀哉から送られてきていた、あの緑の婚届。伊佐美自の自署と実印が、寸分の狂いもなく押されている。
「伊佐美様ですね。類に備はございません。本付で受理いたします」
窓の職員から渡されたのは、枚の『婚届受理証』。 その瞬、秀哉と伊佐美のにわたる婚姻関係は、法に完全に消滅した。
区役所をた伊佐美は、そのまま法務局へとち寄り、昨付で完していた実の産登記事項証を受け取った。表題部の所者欄には、力く『伊佐美』の名が刻まれている。
すべての準備はった。
そのの午過ぎ。静まり返ったのに、台の真しい級ミニバンが横付けされた。
バタン、バタンとドアがく音がして、玄関のインターホンがけたたましく連打された。
ピンポーン! ピンポーン! ピンポーン!
「おい! けろ! 秀哉だ!」
ドアをけると、そこには仕ての良いスリーピーススーツにを包んだ秀哉が、傲な笑みを浮かべてっていた。その隣には、派なブランドもののトレンチコートを着て、巻き髪を揺らす若い女・井麻。
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そして、真しい紺のスーツを着てランドセルを背負った、歳の男児・宗太がいた。
「よお、帰ってきたぞ。約束通り末だ」
秀哉は靴も脱がずに玄関ホールへとズカズカとがり込んできた。麻は勝ち誇ったような線で伊佐美をからまで値踏みするように眺め、連れてきた子供のを引いて居の奥を覗き込んでいる。
「紹介しよう。僕のしい妻になる麻と、息子の宗太だ」
秀哉はさも偉業を成し遂げたかのように胸を張り、汚い嘲笑を浮かべた。
「さっきも言ったが、もう君とは赤のになるんだ。僕たちはのに正式に入籍し、宗太の学の入学式にはれて本物の族として席する。……君たちには、もうこのに秒たりともいる資格はない」
秀哉は居のソファから静かに歩みてきた徹夜と、伊佐美のを酷に見ろした。
「約束通り、婚届を渡してもらおうか。サインして、おと息子は今すぐこのからてけ!」
その瞳には、従順な専業主婦とれな息子を完全に叩きし、自らの輝かしい活をに入れたという、醜悪な勝利の優越がギラギラと燃え盛っていた。
しかし、伊佐美の表には、夫が期待したような絶望や涙は微もなかった。
伊佐美は静かに息を吸い込み、え切った声で告げた。
「……やっぱり、そういうことだったのね」