"「嫁には1円もやらない」義母へ、家族3人の決断" 第12話
義妹の乱入と、かされた数字
そのだった。 ガタガタと玄関の引き戸が激しい音をててき、乱暴な音が廊を駆けてきた。 「お母さん!? お母さん、いるの!?」 び込んできたのは、息を切らし、髪を振り乱した義妹のひろみさんだった。 実の所のから「お母さんが朝からタクシーに乗ってどこかへかけていった」と連絡を受け、をばして追いかけてきたのだ。
居の異様な景――畳に平伏して泣き崩れる母親と、然と座る私たち夫婦の姿を見て、ひろみさんは息を呑んだ。 「お、お兄ちゃん……お義姉さん……。お母さん、本当にここに来ちゃったの……」 「ひろみ、ちょうどいいところに来た」 孝介がく、い声で言った。「座れ。族全員で、全部清算するだ」
ひろみさんは恐る恐る義母の隣に正座し、座卓のにかれた古い学ノートに目を落とした。 「これ……お父さんの字……?」 「そうよ」私が答えた。「お義父さんが、お義母さんには内緒で残したの引き継ぎよ。あなたが毎実で『お母さんのね』とんでべていたちらし寿司も、筑煮も、すべてこのノートをもとに、私が作っていたものよ」
ひろみさんの顔が、みるみるうちに赤く染まり、やがて恥ずかしそうに伏せられた。 「らなかった……お母さんが、自分で作ってるんだとばかり……」 「それだけじゃないわ、ひろみさん」
広告
私は鞄から、にで記帳してきた義母名義の預通帳のコピーを取りした。 座卓のに滑らせると、ひろみさんの線が、そこに並ぶ数字に釘付けになった。
毎初旬に械に引きされていた、律万円の現。数ヶ連続の記録。 のに引きされた、百万円というまとまった額。 そして、のの――陽太の歳の誕に、私たちが万千円の青い自転を自費で買ったまさにその同じに、引きされていた百万円という。
「ひろみさん。この数字に見覚えはありませんか?」 私の問いに、ひろみさんはビクッと肩を震わせ、隣の義母を見つめた。 義母は顔をげようともせず、たださく縮こまっている。
「……言わなきゃ、ダメよね」 ひろみさんは膝ので拳を握りしめ、掠れた声で告を始めた。 「毎の万円は……うちの子供たち、陸斗と柚葉の学塾の謝と、ピアノの謝代として、お母さんから毎渡しで貰っていたおです……」
座敷の空気が、段とく沈み込んだ。 「じゃあ、の百万円は?」孝介が問い詰める。 「……うちの自宅の、壁と根の塗り替え事代。お母さんが『全額してあげるから業者に頼みなさい』って……」 「そして、ののの百万円は」 私の静かな声に、ひろみさんは耐えきれなくなったように両で顔を覆った。
「陸斗が私学に格したの……入学と施設拡充費、それから初度の授業料の納分です……! お母さんが『田の初孫が名私にくんだから、祖母である私がすのは当然だ』って……ポンと現を渡してくれたの……!」
パズルのピースが、音をてて完璧に噛みった。 義母が親戚ので「私が買い与えてあげた」と自していた万千円の自転ので、実の娘のには、数百万円という巨額の贈与が湯のように注ぎ込まれていたのだ。 それも、私と孝介が活費と費を入れ、私の無償労働によって浮いた田の蓄えから。