"「嫁には1円もやらない」義母へ、家族3人の決断" 第3話
居の壁に飾られたの絵
陽太がまれた、義母の態度はさらに骨な面性を見せ始めた。 孫である陽太に対してだけは、病なまでの溺を注いだのだ。 保育園から帰ってくると玄関までりで迎え、「陽太ちゃん、お帰り! バーバのい宝物!」と抱きげる。級な玩具を買い与え、誕には輪や育絵本を買い漁り、居や廊の壁には陽太の写真が所狭しと飾られていった。
しかし、その同じが、陽太の目ので私に対して平然と毒を吐くのだ。 「本当に気の利かない嫁ねえ。陽太ちゃんのお噌汁の具がきすぎるでしょうが。喉に詰まったらどうするの」 「息子がで汗垂らして稼いできてるから、あなたもこのに居させてもらえるのよ。しは謝しなさい」
私もフルタイムで働いている。勤続の営業事務として、毎取りで数万円の料を稼ぎ、活費も保育料も孝介と完全に折半していた。 義母はその事実を百も承で、あえて私を「息子に養われている居候の嫁」として貶め続けた。 歳になった陽太は、まだの言葉の複雑なまでは理解できない。 だが、そのの澱んだ空気だけは敏に察していた。 義母が私に向かって甲い嫌をにするたび、陽太はビクッと肩をねがらせ、しげな目で私を見つめ、それから膝ののミニカーの汚れを指先で擦り続けるのだった。
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そんな息苦しい活ので、私がの支えにしていた「さな」があった。 陽太が歳の、保育園の保育参観へったのことだ。 廊の壁面に、園児たちが描いた画用が貼りされていた。 担任の先が私を見つけ、招きをして笑顔で教えてくれた。 「田さん、これ、陽太君が描いた絵ですよ。『ぼくのかぞく』というテーマです」
画用には、クレヨンでの物が横並びに描かれていた。 番に背のいパパ。その隣に髪のいママ。その隣にさな陽太自。 そして番端には――特徴なきな丸い鏡をかけた、髪の物が描かれていた。 「これ、おばあちゃんだそうです」先が微笑んだ。「陽太君、バーバの鏡は絶対に丸く描くんだって、懸命描いていましたよ」
胸の奥が、じんわりと温かくなった。 義母からどんなに理尽な侮辱を受けようと、息子にとって義母は切な族なのだ。 でひとつの族――息子の描いたその無垢な世界を守るためなら、私がしくらいすることなど何でもない。族とは、互いの欠点をみ込んで支えうものなのだと、当の私は信じ込んでいた。
そのの夕方、画用を持ち帰ると、陽太は靴も脱がないうちに居へ駆け込んだ。 「バーバ! これ見て! 族の絵描いたよ!」 座子に座っていた義母は、老鏡をかけて画用を両で受け取った。
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絵をじっと見つめたまま、義母はしばらく無言だった。 やがて顔をげると、陽太のを優しく撫でた。 「あらあ……ねえ、陽太ちゃん。バーバの鏡、そっくりじゃないの」
義母はその週のうちに、わざわざ町営バスに乗って駅の文具へき、派な製の額縁を買ってきた。 そして、居のテレビの真――部に入ったが番最初に目にする特等席の壁に、その絵を恭しく掲げたのだ。 親戚や所のが訪れるたび、義母は誇らしげにその額縁を指差した。 「見てちょうだい、うちの孫が描いたのよ。バーバのことが好きでねえ」
その景を、私は台所の流し台のから、複雑ないで見つめていた。 陽太は本当に義母が好きだった。 保育園から帰ると、義母が買い与えてくれた汚れたウサギのぬいぐるみ「ミミちゃん」を抱きかかえ、そのあった来事を懸命に義母に報告する。 義母もまた、相好を崩して孫の話にを傾け、おやつを差しす。 (このは、根っからの悪ではないのだ。孫にはこれほど優しいのだから) そうやって自分を納得させ、私は自らに課せられた過酷な無償労働に耐え続けていた。
しかし、その平な錯覚は、ヶの旬、居の襖の隙から漏れ聞こえてきた「密談」によって、音をてて崩れることになる。