"離婚裁判で7歳の娘が見せた秘密の映像" 第9話
娘の秘密
健太郎は翌朝、柚の部へ入ろうとした。私は廊で「何を探しているの」と尋ねた。夫は「壊れた端末だ。危ないから捨てる」と答えたが、娘はまだ寝ていた。私は「本に確認してからにしましょう」と言い、扉のにった。夫はしばらく私を睨み、「おが変なことを教えてるんじゃないだろうな」と吐き捨てて勤した。
柚の机に散らばっていた教科を拾うと、国語のノートの端にさな文字があった。『ひみつをもっているのは、わるいこと?』。私はノートを閉じ、娘が自分から話すまで待つことにした。は秘密を暴こうとするが、子どもにとっては秘密を守ることが自分を守る方法になるもある。私はその夜、娘の好きな毛布を洗い、乾いたものを枕元へ置いた。
そのの午、私は藤先に話した。古いタブレットのこと、夫が処分を急いでいること、娘が何かを見せたいと言っていることを話した。先は慎だった。「お母さんが内容を確認するに、柚さん自ができるに相談できるようにしましょう。証拠があるとしても、子どもに背負わせることは避けたい」。私は佐伯先に連絡し、学のスクールカウンセラーとの面談をお願いした。
面談の、私は待に座り、柚はカウンセラーの先とで話した。
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戻ってきた娘はいつもより静かだったが、私のを握ると「ママ、ちゃんと聞いてもらえた」と言った。何を話したのか私は尋ねなかった。先からは、庭裁判所の調査官との連携も含め、娘の負担をなくする方法を検討すると説があった。
帰り、柚は公園のベンチでち止まった。「パパのこと、嫌いになった?」。私は首を横に振る代わりに、言葉を選んだ。「パパがしたことで、ママはすごく困ってるし、しい。でも柚がパパを好きな気持ちは事にしていいよ」。娘は靴のつま先で砂をならした。「柚はね、ママもパパも好き。でも、うそは嫌い」。私はそのさな宣言を聞き、胸の奥が痛くなった。
健太郎は週末、私がいないに娘の机を調べた。帰宅すると引きしがき、教科がに落ちていた。柚は部の隅で膝を抱えている。夫は「危ない物を探しただけだ」と言ったが、娘は泣かずに「パパ、勝に触らないで」と言った。健太郎は驚いた顔をし、すぐ「誰にそんなの利き方を教わった」と私を睨んだ。
私は娘を別の部へ連れてき、夫には弁護士を通して連絡するよう求めた。柚の様子が落ち着くまで、友の美のに泊まらせてもらうことにした。美は駅までで迎えに来てくれた。助席で私が何度も礼を言うと、「お礼は、ちゃんと寝てからにして」
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と笑った。柚は部座席で眠り、握っていた布の袋をさなかった。
美は私たちのために、娘が好きな甘い卵焼きを作ってくれた。柚は緊張した顔で卓についたが、美の飼っている老猫が元に来るとさく笑った。私はその笑顔を見て、避難することは逃げることではないとった。全な所で晩眠るだけで、娘はまた子どもらしい顔を取り戻せる。私もようやく、事のをじられた。
美ので娘を寝かせた、私は袋のから古いタブレットが覗いているのを見た。柚は自分で持ちしていたのだ。私は触れずに毛布を掛け直した。翌朝、娘は自分から言った。「これ、パパが怖いから持ってきたんじゃないよ。なくなったら困るから」。私は「切なものなんだね」と答えた。
娘はし考え、「切なのはタブレットじゃないよ」と言った。そこから先を聞こうとした、美が朝を運んできた。柚はを閉じ、端末を布袋の奥へしまった。私にはまだ、そのに何があるのか分からなかった。