"「家は俺が守る」息子を信じた母、4年後の衝撃" 第8話
「俺はを守った」
全員が座ったことを確認すると、藤沢先が自己紹介をし、今の話しいの目を説しました。声を荒げることも、直を責めてることもありません。ただ、宅の管理権限とにいた銭について、事実をつずつ確認すると告げました。
直は鞄から、に私が押印した委任状のコピーを取りしました。
「母さんは、を俺に管理していいっていたんだ」
最初の言葉がそれでした。
私はわず息を吐きました。
「管理することと、別のをませることは同じなの?」
「空きにして腐らせるより、がんだ方がいいだろ」
「だから貞子さんから毎おを取ったの?」
「はきれいに保たれてるじゃないか。根だって直した。湯器もしくなったし、母さんが帰ってきてもいいようにすりだって付けた」
直は、まるで自分が善でを守り続けたように話しました。
確かに結果だけを見れば、は荒れていません。
私の部も残されています。
その言葉を聞いているうちに、瞬だけ迷いました。
もしかすると、本当にやり方が違っていただけなのか。
貞子さんが困っていたから助け、私のも守れるとった。
最初のだけなら、そうだったのかもしれません。
しかし隣を見ると、貞子さんは膝のでを震わせていました。
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理恵も顔をげず、畳を見つめています。
藤沢先が委任状を指で示しました。
「直さん。この面には、税や保険、緊急修理、庭の入れなどしかかれていません。なくとも、第者の居や、対価を継続に受け取ることまで確に任されている内容ではありません」
「でも、を維持するために必だったんです」
「それなら、なぜ所者へ相談しなかったのでしょう」
直は黙りました。
私は彼を見つめました。
「直」
「何だよ」
「あなたが本当にを守りたかっただけなら、私につ聞きたいことがあるの」
直の顔が張りました。
「なんで、私に『が壊れていて戻れない』って嘘をついたの?」
部の空気が変わりました。
「嘘じゃない。最初は本当に悪いところがあったんだ」
「今は直っているでしょう」
「だから直したんだよ」
「じゃあ、私が見にきたいと言った、なんで鳴ったの?」
直は答えません。
「鍵を変えたのに、業者が持っているから渡せないって言ったわね。事だから危ないとも言った。でも実際には事なんてしていなかった」
「それは……」
「なぜ?」
私はもう度尋ねました。
「なぜ私をへづけたくなかったの?」
直は理恵を見ました。
理恵は夫を助けませんでした。
い沈黙の、直がさく言いました。
「……貞子さんがいたから」
貞子さんが肩を震わせました。
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「母さんが来れば、んでることが分かるだろ」
「だから嘘をついたの?」
「仕方なかったんだよ」
その言葉を聞いた瞬、私のに残っていた迷いは消えました。
「あなたはを守ったんじゃない」
私は言いました。
「自分の嘘を守っただけよ」
貞子さんが泣きしました。
「直さん、私、何度もさんにお礼を言いたいって言いましたよね」
「それは、母さんの体調が……」
「私の体調を聞いたの?」
直はを閉じました。
私は続けました。
「あなたは貞子さんには、私がこのへ戻りたくないと言ったそうね」
「……」
「私には、が壊れて戻れないと言った」
つの嘘。
片方だけなら、親切がこじれたと言えたかもしれません。
けれど直は、私たちが直接話さないようにしていました。
そうしなければ成しない仕組みだったのです。
藤沢先がテーブルのへ振込記録を置きました。
「では、次におの確認をします。貞子さんから直さんへ、毎万千円。で百万円です」
直の顔が張りました。
「管理費だよ」
「固定資産税などに使ったということですか?」
「ああ。税とか、気、、そういうのに」
藤沢先は別の資料をしました。
「固定資産税は、すべてさんの座から自で支払われています」
直の表が変わりました。
「それは……の費用だよ」
「領収はありますか?」
「にある」
「根の補修や湯器は、貞子さんが別途支払っています」
逃げがつずつ消えていきました。
そのまで、理恵は言も話しませんでした。
しかし突然、自分の鞄から携帯話を取りしました。
「私、見せます」
直が顔をげました。
「理恵、やめろ」
「もう無理」
彼女は夫を見ました。
「お義母さんにも、お母さんにも、これ以嘘をつけない」
そして、私へ携帯話を差ししました。
「お義母さん。これを見てください」
画面には、から残っている夫婦のメッセージが表示されていました。
私は老鏡をかけ直しました。
最初のメッセージを読んだ瞬、指先がたくなりました。
《お義母さん、かなり歩けるようになったみたい。へ帰れるかもしれないって》
理恵が直へ送った文でした。
そのに、息子の返事がありました。
《分かってる。でも今帰ってこられたら困る》