"「家は俺が守る」息子を信じた母、4年後の衝撃" 第7話
毎万千円の正体
「このおは、何のために払っていたの?」
私は細をテーブルへ置き、貞子さんへ尋ねました。
「を使わせてもらう代わりに、管理費が必だと言われました」
「直に?」
「はい」
「私へ渡すおだとは言われなかった?」
貞子さんはし考え、「の税や維持費に使うと言っていました」と答えました。
私はさらに領収を見ました。根の補修、湯器の交換、すりの設置。驚いたことに、それらの費用はすべて貞子さん自が払っていました。
「この修理代まで、あなたが?」
「ませてもらっているのだから、しくらいはとって……」
「じゃあ毎の万千円とは別なの?」
「はい」
のでりが静かに膨らみました。
直は私に「の維持にはおがかかる」と言っていました。けれど実際には、貞子さんから毎銭を受け取り、きな修理費はさらに本へ支払わせていたのです。
「貞子さん、税は私の座からずっと自で払われているの」
「え?」
「固定資産税も保険も、私の座からよ」
貞子さんは元を押さえました。
自分が何のために払っていたのか、分からなくなったのでしょう。
私はそののうちに藤沢先へ話をしました。
「へってきました」
「どうでしたか?」
「がんでいました」
瞬、話の向こうが静かになりました。
「どなたですか?」
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「息子の妻のお母さんです」
さすがの藤沢先もしを置きました。
私は事をすべて伝えました。貞子さんが私の許があると信じていたこと、毎万千円を直へ払っていたこと、修理費も別に負担していたこと。
「黒田さんは、その方へ退を求めたいですか?」
私はすぐには答えませんでした。
最初に扉がいた瞬は、を奪った相だといました。
けれど違いました。
貞子さんも、私とは逆方向の嘘を聞かされていたのです。
私は「戻りたくない」と言っている。
貞子さんは「許をもらっている」。
の女性がお互いに直接話さないよう、直がにって報を操作していました。
「今すぐ追いしたくはありません」
私は答えました。
「彼女も騙されていただから」
藤沢先は「分かりました」と言いました。
「では、まず事実関係と銭の流れを理しましょう。直さんを交えた話しいが必です」
「先にも同席してもらえますか」
「もちろんです」
話を切った、私は支援付き宅の部で、ノートをきました。
聞くべきことをつずつきました。
なぜ、私へが壊れていると嘘をついたのか。
なぜ、私が回復してもらせなかったのか。
なぜ、貞子さんへ私が戻りたくないと言ったのか。
万千円は何に使ったのか。
なぜ、度も会いに来なかったのか。
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きしてみると、りよりもむしろしさがくなりました。
息子を信じていたからこそ、私は確認しませんでした。
そして直は、その信頼を「何を言っても母は疑わない」という便利なものとして扱ったのです。
翌朝から、私の携帯話には何度も直から着信が入りました。
きっと貞子さんか理恵から、私がへったことを聞いたのでしょう。
私はませんでした。
、私は直からの連絡を待ちました。
今度は、彼が待つ番です。
藤沢先と相談し、の曜、旧宅で話しうことにしました。
私。
藤沢先。
直。
理恵。
貞子さん。
です。
約束の、私は正の写真を見ながら言いました。
「あなたなら、どうする?」
もちろん答えはありません。
でも、昔の私なら「息子だから」と許してしまったでしょう。
今は違います。
許すかどうかを決めるに、まず本当のことを言わせる。
曜。
午をし過ぎた頃、玄関のでのドアが閉まる音がしました。
やがて鍵が回り、直が居へ入ってきました。
ぶりに見る息子でした。
し髪が増え、以より痩せていました。
私の顔を見た直は、まるで幽霊でも見たようにち尽くしました。
「母さん……」
私は杖を両で握り、息子を見つめました。
「久しぶりね、直」
彼は目を伏せました。
「……ごめん」
私は静かに聞きました。
「何に対して?」
直は、答えられませんでした。