"7年伸ばした髪を妹に切られた日、婚約者まで笑った" 第18話
ので聞かれたこと
福岡で度目のを迎えるころ、瀬は医療連携構の仕事をれ、別の病院グループの企画部へ移っていた。私たちが休に会うことは、仕事の調とは完全に別のになった。彼は約束のに必ず予定を確認し、私が疲れているは無理にかけようとしなかった。最初はその気遣いに戸惑ったが、やがて私も「今はで休みたい」と自然に言えるようになった。
私は瀬に、自分の仕事を続けたいこともい段階で伝えていた。彼は「もちろん」と答えたが、私は言葉だけでせず、互いの忙しい期にどう支えうかを話した。彼が張で会えない週も、私が休にでかけるもあった。それでも関係が定にならないことが、私には鮮だった。
ある、瀬は「にのが見たいと言っていましたよね」と話した。私は驚いた。定で何気なくにした希望を、彼はく覚えていたのだ。でに乗り、辺のさな町へ向かった。はたく、浜辺には数の釣りがいるだけだった。私は波打ち際を歩きながら、修と旅したときはいつも、次にどこへくかを彼が決めていたことをいした。
「ここでし座ってもいい?」
瀬は「もちろん」と答え、の当たりにくいベンチを探してくれた。
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しばらくでを眺めたあと、私は自分の髪を切られたのことを初めて詳しく話した。誰が笑い、誰が賭けをして、なぜをたのか。瀬は途で遮らず、話し終えるまで待っていた。私は「今は平気です」と言いかけて、やめた。平気ではないがあっても、ここにいていいとえたからだ。
「もし、また誰かを信じて傷ついたらとうと怖いんです」
瀬はし考えてから、「信じてほしいと急がせるつもりはありません」と言った。「僕が何か嫌なことをしたら、そので言ってください。言われたことを、冗談だと片づけないようにしたい」。私はその言葉に、すぐ答えられなかった。修も最初は優しかった。だからこそ、今の優しさだけで未来を決めることはしたくなかった。瀬はそれを聞いても、満そうな顔をしなかった。
帰りのでは、瀬は眠そうな私に「し休みますか」と聞いた。私は「景を見たいから起きています」と答え、窓のに目を向けた。彼は自分の着を勝に掛けたり、私の返事を変えさせたりしなかった。さなことをつずつ確かめるが、のに積みなっていった。
になり、私たちはしずつ暮らしの話をするようになった。事の好み、事の分担、仕事を続けること、族との距。瀬は「結婚したらどちらかが全部背負うのは嫌です」
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と言い、私は「私もです」と答えた。言葉だけでなく、実際に旅の予約を分担し、忙しい週には互いの予定を優先した。さな約束を守れるかどうかを、私はをかけて確かめた。
ある夕方、瀬がさな箱を差しした。には飾りのない指輪が入っていた。「今すぐ返事がほしいわけじゃありません。これからも緒に暮らす未来を考えてもらえたらうれしいです」。私は箱を閉じず、指輪を見つめた。昔、婚約指輪をもらったときは、相の期待に応えることばかり考えていた。今は、自分がどんな活を望むのかを考えられる。
瀬と見がわないも、もちろんあった。旅の予定を彼が先に予約しかけたとき、私は嫌だと伝えた。彼は驚いたが、言い訳せずに予約を止め、次からはで決めるようにした。そのさな来事の方が、派な約束の言葉より私にはきかった。嫌だと言ったあとに関係が壊れないことを、私はしずつ学んでいた。
「しをください。でも、うれしいです」
瀬は「待っています」と答えた。その夜、私は自分の部に戻り、机のに指輪の箱を置いた。誰にも相談せず、誰の許も取らず、自分の気持ちを確かめるがある。私は窓をけ、で見た夕暮れをいした。も、答えを急ぐ必はなかった。