みかん小説
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"7年伸ばした髪を妹に切られた日、婚約者まで笑った" 第16話

謝罪の条件

がけるころ、母からが届いた。には美緒がいた謝罪のを送ってよいかという確認と、父が自分で通院を管理するようになったことがかれていた。私はすぐには返事をさず、数考えた。を受け取ることと、関係を元に戻すことは別だ。そう自分に言い聞かせてから、私は『度だけなら読めます。返事は約束できません』といて投函した。

美緒のには、髪を切ったことだけでなく、過の来事が具体に記されていた。制への落き、卒業研究の資料、顔わせのの、勝な撮。どれも覚えているとかれていて、私は読みながらを止めた。忘れていたわけではなかったのだ。私が苦しんだ来事を、美緒はつひとつ覚えたうえで繰り返していた。その事実は、謝罪の言葉があっても簡単にはれなかった。

の最には「私は姉さんに甘えていたんじゃなくて、姉さんが困るのを楽しんでいた。そんなことをしてもれないとっていた」とあった。私は読み終えて封筒に戻した。謝罪が本かどうか、今の私には確かめる方法がない。仮に本でも、すぐ会う理由にはならなかった。私は返事をかず、を引きしの奥にしまった。

を読んだ夜、私はし眠れなかった。美緒が過のことを認めたのは初めてだったが、だからといって、あのへ帰りたい気持ちが湧くわけではない。

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私は翌朝、津田さんとの定例会議にて、予定どおり仕事をした。過と向きうことは切でも、そのために今の活を止める必はなかった。

数、野に「週末、陶芸教へきませんか」と誘われた。私はに触るのが初めてで、できあがった器はし歪んでしまった。それでも野は「作りらしくていい」と笑い、私も自分の器を見て笑った。失敗を笑うことと、失敗したを笑うことは違う。そんな区別を、今の私は自然にじ取れるようになっていた。

静岡では、母が私から返事が来ないことを美緒に伝えた。美緒は度だけ唇を噛み、「そうだよね」と言った。以なら「謝ったのに」とっていたかもしれない。今は、謝罪を受け取るかどうかを決める権利が相にあることを、しずつ理解し始めていた。美緒は仕事に戻り、次の資格試験の類を自分で揃えた。申し込みの確認メールを母に見せると、母は「よく自分でできたね」と言いかけて、代わりに「お疲れさま」とだけ伝えた。

父は相変わらず無だったが、母につ頼みごとをした。「凛に、何か必なものはないか聞いてくれないか」。母は「必なものがあれば本が言うでしょう」と答えた。父は嫌そうにしたものの、それ以は言わなかった。娘がくで暮らしているとることと、娘の暮らしに入り込むことは違う。

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母はようやく、その線を識するようになっていた。

福岡では、瀬との事がに度ほど続いていた。仕事の関係者として会うとは別に、休に美術館へき、古い喫茶でく話すこともあった。私は彼に族のことをしずつ伝えたが、彼は「そんな族なら縁を切ればいい」と簡単には言わなかった。「どうしたいかは凛さんが決めることだから」と答えた。その言葉が、私には何よりありがたかった。

ある休、私はで美容にき、襟をしくえてもらった。美容師が「回よりさらにくしますか」と尋ねたので、私は鏡を見ながら「このくらいが好きです」と答えた。はさみの音がしても、もうあののように体が固まることはなかった。今、髪を切るかどうかを決めるのは私だ。をるとの空気が頬に触れ、私は自分ので駅へ向かった。

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