みかん小説
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"7年伸ばした髪を妹に切られた日、婚約者まで笑った" 第10話

失くした推薦状

母は私の学代のことが気になり、当の指導教員に連絡を取った。先はすでに退職していたが、研究の輩を通じて連絡がついた。話で先は私の名を聞くと、すぐに覚えていると言った。「林さんは優秀な学でした。元の企業と学が共同でっていた若技術者育成枠に推薦したんです。面接までめば分能性がありました」

母は受話器を持ち直した。「でも、娘は発表の資料をなくして、審査ににわなかったと聞いています」。先は沈黙したあと、「あの、提用のデータと印刷資料が両方なくなったんです。本は最まで探していました。私は何か事があるといましたが、林さんは庭のことを話したがりませんでした」と答えた。推薦枠の面接は卒業発表の評価が条件で、審査を受けられなかった私は資格を失ったのだという。

母は話を切ってから、美緒の部へ向かった。「凛の卒業研究の資料、あなたが隠したのよね」。美緒は最初、「そんな昔のこと覚えてない」と答えた。しかし母が先の話を伝えると、「ちょっと困らせようとしただけ。お姉ちゃん、いつも優秀だって褒められてたから」と目を逸らした。あのとき美緒はで、姉が事にしているものを壊せば自分に注目が集まるとっていた。

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美緒の机の奥には、古い記憶装置と、私が卒業発表に使うはずだった資料の部が残っていた。の端には当の私のき込みがあり、母はそれをに取って初めて言い逃れのできない事実を見た。美緒は「捨てるのを忘れてただけ」と言ったが、母は資料を封筒に戻し、私の許があるまで誰にも触らせないことにした。

「そのせいで、凛は推薦を失ったのよ」

「だって、お姉ちゃんはそのあと就職できたじゃない」

母は言葉を失った。就職できたかどうかの話ではない。自分で選び、努力してにしかけたを、の気まぐれで閉ざされたことが問題なのだ。母は美緒を叱ったが、娘の顔に浮かんだ満を見て、自分が同じ言葉を何度も使ってきたと気づいた。「次がある」「したことじゃない」。私のにとってきな来事を、母はいつもそうやってさくしてきた。

父にも話を伝えると、彼はしばらく黙っていた。やがて「俺たちの世話がしたくて元に残ったんだとっていた」と言った。母は首を振った。「違うわ。けるを失って、それでも私たちが引き留めたの」。父は私の部に入り、机の跡だけが残るを見た。、私は族のくにいた。それを親孝だと誇っていたが、私が何を諦めたのか、度も尋ねなかった。

方、福岡の私は、津田さんから第期の構について相談を受けていた。

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第期の試験結果は好調で、構側は別の病院ネットワークとの接続を希望している。ただし相先の仕様が固まっておらず、括導入にはきな危険があった。私は資料を読みながら、過の自分なら「期待されているのだから断れない」と考えただろうとった。けれど今は、できないことをできないと言うことも、責任者の仕事だとっている。

夜、私は学代の恩師から届いたメールを読んだ。母が連絡したことを詫び、先は「当のことを、今さらあなたに負担として返したくはありません」といていた。私は返信に、先のせいではなかったことと、今は福岡でしい仕事に挑戦していることを記した。送信するにし迷い、最に文をした。『あのとき推薦してくださったこと、今なら素直にうれしいと言えます』。

先は、学でかれる卒業向けの技術講演に登壇しないかと誘ってくれた。私は当の研究成果を失ったことが、今の自分の能力まで否定するものではないと気づいた。仕事の都で今回は参加できなかったが、次の会には輩へ話してみたいと返事をした。奪われた選考は戻らない。それでも、学んだことは自分のに残っている。

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