"7年伸ばした髪を妹に切られた日、婚約者まで笑った" 第6話
笑われた側につ
「それでも、まさか本当に切るとはわなかったんです」
修が言い訳を繰り返すたび、母の表は険しくなった。美緒は腕を組み、「修さんが教えたのに、どうして私だけ叱られるの」と言った。父はを黙らせようとしたが、昨夜まで同じ画を見て笑っていた自分には、誰かを叱る資格がないと気づいていた。私がの髪を拾ったとき、彼らが何をしていたか。い返せば、誰も私に寄らなかった。
方、福岡支社で迎えた最初の朝、私は津田千晶に会議へ呼ばれた。津田さんは代半ばの女性で、いつも資料の角を揃えて話す。「のことは片づいた?」と聞かれ、私は「片づけてきました」と答えた。彼女は事を掘りげず、仕事の話に移った。州域医療連携構が導入をめる搬送報共システム。その第期の責任者を、私に任せたいという。
「予定より週く、理事会にくものを見せる必があるの。発部は無理だと言っているけれど、全部を完成させる必はない。何を先に見せるか、そこを考えてほしい」
私は仕様を読み込み、会議のに現の担当者と話すを求めた。システムは救急搬送の受け入れ先を探す際、病院で必な報を全に共するためのものだった。現が困っているのは、能の数ではない。
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患者を受け入れられる病と連絡先が、急いでいるときに見つからないことだった。私はまず、その点が確実にく形を作るべきだと考えた。
発担当の佐伯翔太は「週倒しなら全員徹夜ですか」と警戒した。私はホワイトボードに能をつの列に分け、必須能、検証に追加する能、第期にはな能を並べた。「徹夜を提にするつもりはない。理事会で実際に操作する流れをつ、失敗なく見せよう」と言うと、佐伯はし考えてから、デモ用の画面構成を描き始めた。
会議のあと、私は佐伯と野を誘い、各能が実際の現でどんな面に使われるかをきした。画面のを変えることより、連絡先が見つからないときに次の順を示すことがだった。野が「これなら初めて使うでも迷わない」と言い、佐伯もようやく作業量の見通しがったようだった。
昼休み、支社の同僚である野結が私の席に来た。「歓迎会をしたいんですけど、べられないものありますか」と尋ねる。私は反射に「何でも丈夫です」と答えかけて、言い直した。「実は、がし苦で」。野は「あ、じゃあを選ぶときにしますね」と、何でもないことのように頷いた。自分の好き嫌いをにしても誰も嫌な顔をしない。そのことが議だった。
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夕方、静岡の母からい留守番話が入った。「美緒が泣いてるの。あなたがいなくなって、のが変なのよ」。私は録音を最まで聞き、折り返さなかった。母は私が困っていたときには「姉なんだから」と言ったのに、今は妹が困っていることを理由に私を呼び戻そうとしている。私の仕事の初がどうだったか、どんな部にんでいるか、尋ねる言葉はなかった。
母は話を切ったあと、私の部のでしばらくち尽くした。扉の向こうから「お母さん」と呼ばれるのを待つ癖が残っていたのだ。けれど、今は誰も呼ばない。母は私のを寂しいとったが、それと同に、私がここにいたときでどれほどの用事を抱えていたかをい返した。
夜、津田さんからいメールが届いた。『今の提案は筋が通っていた。無理をして証しようとしなくていい。必な員は私が確保する』。私は何度も読み返し、返信を打った。ここでは、誰かを楽しませるために失敗する必がない。、自分ができる仕事をすればいい。それだけのことが、こんなにもを軽くするのだと初めてった。