"夫の愛人を家に招いた義母、3日後の悲鳴" 第13話
に沈むタワーマンション
「あのバカ息子、体何をやっているのよッ!!」 砂りのの、ようやく拾ったタクシーに乗り込み、豊洲のタワーマンションへ辿り着いた幸子と結菜。 結菜は自分の貯を数万円も奪われたりでを利かず、幸子は濡れ鼠になりながら悪態をつき続けていた。
専用エレベーターをり、最階の自宅ドアのにつ。 幸子が慣れたつきでテンキーに触れようとした瞬、彼女の指先が宙で止まった。
いつもなら青くっているはずのスマートロックの液晶画面が、真っ暗なまま沈黙していたのだ。 「……え? 何これ? 池切れ?」 画面を何度叩いても、何の反応もない。部源用の端子すら無通状態だった。
「ちょっと、結菜ちゃん! 管理呼んできて!」 「なんで私がそんなことしなきゃいけないんですか! もう寒くて限界ですよ!」 が玄関で醜い罵りいを繰り広げること分。 管理会社の夜緊急センターから駆けつけた鍵け業者に、結菜が泣く泣く現万円を支払って、特殊具でシリンダーをこじけさせた。
「ガチャリ」とい音がしてドアがいた。 を踏み入れた瞬、のを突いたのは――息が詰まるほどの、々しい腐敗臭だった。
「う……ッ! 何この臭い……!?」 結菜がとをで覆い、えずいた。
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玄関のセンサーライトは点灯しない。 暗がりの、幸子が壁のスイッチをパチパチと何度も押すが、リビングのシャンデリアも、エアコンも、切のかりが点かない。
カチリとスマートフォンのライトを照らした幸子は、キッチンの景を見て息を呑んだ。 型蔵庫の扉の隙から、ドロドロに溶けした茶い液体が、無垢材のフローリングのに池のように広がっていたのだ。 曜の夕方に解約された気の供が、今の正午に完全にストップしていた。 密閉された暗ので、常温に晒された数キロのA5ランク松坂牛、級ウニ、特サーモンが、昼夜をかけて腐乱し、緑に変して凄まじい悪臭を放っていたのだ。
「……! を流して掃除しなきゃ!」 幸子がパニックになりながらシンクへ駆け寄り、レバーを捻った。 ――ゴボッ、シュウウ……。 乾いた空気の抜ける音が響いただけで、蛇からは滴のも流れてこなかった。
「で……気も、も……止まってる……?」 幸子のから力が抜け、腐った肉汁の広がるのにペタリとへたり込んだ。 万円のカシミヤコートの裾が、腐敗した脂のに浸かり、茶い染みを作っていく。
その、玄関のドアが乱暴に蹴破られるようにしてき、ずぶ濡れの男が転がり込んできた。 「母さんッ!! 母さん、いるのかッ!?」
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拓也だった。 ネクタイは引きちぎられ、髪はで固まり、目は血り、正気を失った獣のように叫んでいた。
「拓也! あんた今までどこにってたのよ! カードは止まるし、のは真っ暗だし、もないのよ!」 幸子が叫び返すと、拓也はに倒れ込み、自らのを激しく打ち付けながら号哭した。
「終わりだ……全部終わりだッ! 今の午、から話があって、桜が融資の連帯保証を解除したって言われたんだ! 法座が即座に凍結されて、会社のが円も引きせなくなった! 夕方にはオフィスのに取引先が何も押し寄せてきて、『形を決済しろ』『を返せ』ってドアを叩き壊されそうになったんだよ! 俺の会社は……俺の会社は破産だァァァッ!!」
真っ暗なタワーマンションのに、男の絶望な鳴が霊した。 かつて桜の血肉を啜って贅沢の限りを尽くしていた寄虫たちのは、供源を断たれた瞬、ただの悪臭漂う監獄へと崩壊していた。