"義実家同居を勝手に決めた夫、私は別の新居へ引っ越した" 第12話
「たかが同居で婚するのか」
義父が「自分も分かっていて止めなかった」と認めると、は互いを責め始めた。
「母さんが帰ってこいって言ったんだろ」
「連れて帰るって約束したのはあんたじゃない」
「わしは何も頼んどらん。母さんが決めたんだろ」
「お父さんだって万円入れてくれたら助かるって言ったじゃない!」
同じで、同じ同居について話しているのに、誰も最には「自分が決めた」と言わない。
私はその様子を見ながら、からずっとじていた違の正体を理解した。
誰も責任を引き受けないまま、私にだけ役割が割り当てられていたのだ。
先はの声が落ち着くまで待ち、それから類を枚めくった。
「では、今についてお話ししましょう」
その瞬、正吾がはっとしたように顔をげた。
「たかが同居で婚するのか?」
私はゆっくり首を横に振った。
「同居で婚するんじゃない」
正吾が私を見た。
「私が嫌だって言っても、あなたには何のもなかったから婚するの」
「嫌って……そんなのわがままだろ」
義母がを挟んだ。
私は義母を見た。
「わがままでも、嫌だというのは私の自由です。そので、じゃあどうしようかって緒に考えるのが夫婦だとっていました」
何度言っても、正吾は度もその先を考えなかった。
私が「きたくない」
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と言えば、「慣れる」。
「通勤がい」と言えば、「平気」。
「義母との距が必」と言えば、「悪気はない」。
すべて、私の気持ちを消すための答えだった。
「これからはちゃんと聞くから」
正吾が言った。
「聞くなら、あのかのに回でよかったの」
私は答えた。
「回でいいから、『苗はどうしたい?』って聞いてほしかった」
「じゃあ今聞く。実るよ。またで部借りればいいんだろ」
「その部をどこに借りるかも、私と相談して決めるの?」
正吾は瞬、義母を見た。
ほんの秒だった。
けれど私は見逃さなかった。
自分の答えを決めるに、母親の顔を確認した。
正吾自も、自分が何をしたのか分かったのだろう。すぐに線をそらした。
私は静かに言った。
「もう決まったから、ってあなた言ったよね」
正吾の顔が固まった。
、朝の席で正吾が私へ言った言葉だった。
「私も、もう決めたから」
正吾はそれ以何も言わなかった。
先が婚条件を説した。
私は慰謝料を求めなかった。
結婚から持っていた預貯はそれぞれ自分のもの。共同座の百万円は半分ずつ。で買った型や具は、すでに正吾の実へ送ってあるため、そのまま正吾が使う。
義母が信じられない顔をした。
「苗さん、慰謝料も具もいらないの?」
「いりません」
「本当に?」
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「私が欲しかったのは、おじゃなかったので」
私が欲しかったのは度だけ。
「どうしたい?」
そう聞いてもらうことだった。
それは今さら、おで取り戻せるものではなかった。
義母は次に親戚の配を始めた。
「婚なんてしたら、みんなに何て言えばいいのよ。偉いお嫁さんだって話しちゃったのに」
「本当のことを言えばいい」
初めて義父が義母を遮った。
「君さんにも、わしから話す。苗さんから頼んできたなんてのは嘘だったとな」
そして義父は正吾へ向き直った。
「正吾」
正吾が顔をげた。
「苗さんの言う通りにしなさい。おが決めたことだ。おが引き受けろ」
義母がさな声で言った。
「じゃあのこと、誰がやるの……」
義母の目は、また私を見ていた。
私は答えた。
「正吾さんがいますよ」
正吾は何も言えなかった。
自分が帰りたがっていた実。
自分が理だと言った活。
今度は自分自が、そので暮らす番だった。