"義実家同居を勝手に決めた夫、私は別の新居へ引っ越した" 第3話
「来、この部引き払うから」
の曜、私は夕飯に筑煮を作った。
義母から何度も「正吾は昔から好きなのよ」と言われた料理だった。何度か作るうちに、正吾が鶏肉より里芋を先にべることも分かってきた。半に帰宅した正吾は鍋を覗き、「お、いいね」と笑った。
いつもと同じ夜だった。
テレビでは週末の気予報が流れ、になるかもしれないと言っていた。
べ始めて分ほどした頃、正吾が箸を置いた。
「来、この部引き払うから」
私は持っていた茶碗をテーブルへ戻した。
「……何?」
「末でここをる」
「どこにくの?」
正吾はまるで、私がっていることを確認するような顔で言った。
「実で暮らすことになった」
瞬、が理解できなかった。
「誰が?」
「俺たちが」
が震えた。
「待って。そんな話、度も聞いてないよ」
「だから今言ってるだろ」
正吾は面倒そうに筑煮の里芋を箸でつついた。
いつ決めたのかと聞くと、正吾は「正」と答えた。
正。親戚が集まり、分い器が残った義実で、私は台所にっていた。義母から「片付けお願いね」と言われ、皆が居で笑っている、で皿を洗っていた。
あのときだったのだ。
居では正吾と義母が、私のむ所を決めていた。
「まず私に相談することでしょう」
「聞いたって反対するとはわなかったし」
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正吾は本気でそう言った。
「どうして実なの?」
「親父もだし、母さんもだ。階は空いてる。ここは毎万千円も賃かかってるんだぞ。実ならそれが浮く。理だろ」
理。
正吾は会社の会議で取引先へ提案するような調で言った。
私は結婚記の夜をいした。
部数がある。庭がある。を置ける。母さんたちもぶ。
全部、これから探すではなかった。
正吾がまれ育った実のことだったのだ。
さらに、義母からの奇妙な質問もすべてつながった。
何に起きるのか。
はあるのか。
料理は何品作れるのか。
義父の卵焼きは作れるのか。
「お母さんが私に々聞いてたのも、これのため?」
「ああ。母さん楽しみにしてるんだよ。苗さんのこと々っておきたいって」
私はく息を吸った。
「私は同居したくないよ」
正吾は目を見いた。
「なんで?」
その「なんで」は理由を聞こうとする声ではなかった。反対される能性など度も考えていなかったの、純粋な驚きだった。
私はできるだけ落ち着いて説した。
今のから会社までは分だが、義実からなら半くかかる。の販促期はまで残業するもある。義母は朝半に起きる。活がまるで違う。
それ以に、今の距だから義母とうまくやれているとっている、と話した。
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毎週の話ですら疲れるのに、緒にめば話を切ることもできなくなる。
正吾の顔が曇った。
「お、母さんのことそんなふうにってたのか」
「悪く言ってないよ。距があった方がお互いのためだって言ってるの」
「嫁が旦の実に入るなんて普通だろ。母さんだって親父の母親とんだんだぞ」
「だったら、お母さんは変さを分かってるでしょう」
「だから母さんは優しくするって言ってる」
私は正吾の目を見た。
「私がんでるかどうかは聞かないの?」
「ぶだろ。賃も浮くんだから」
最に、私はつだけ確認した。
「もし私がずっと嫌だって言い続けたら?」
正吾はし笑った。
「言い続けないだろ、お。最はちゃんとわせてくれるじゃん」
その言葉で、胸の奥がえた。
、私が義母にわせてきたことを、正吾は気づいていなかったのではない。
っていた。
だからこそ今回も、最には私が折れると最初から決めていたのだ。