みかん小説
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"四十九日の絶縁" 第17話

畳半の子と、届かない

初のがよい。 郊の裾に建つ、寄りのない活保護受齢者のための公養護施設。 その暗い角、畳半の個のベッドのに、悦子の姿があった。

かつてあれほど自していた豊かな髪はすっかり抜け落ち、艶のあった肌は気に干からびていシワが刻まれていた。 壊寸だった首は遺症が残り、子なしではトイレにもけない。 につけているのは、施設から支された古びたの寝巻きだけ。 元には、かつて親戚に自していたエメラルドの指輪も、級な着物も、台のピンクのママチャリすら残されていなかった。

「……は? 今の郵便は、まだ来ないの?」 巡回に来た若い介護士の袖を、震えるで掴む悦子。 「野さん、今もあなた宛のはありませんよ」 介護士は械に答え、シーツの入れを続ける。

「そんなはずないわ! 息子の修平から……い孫の陽翔ちゃんから、が来るはずなのよ! 私を迎えに来てくれるはずなの!」 「野さん、何度も言わせないでください。ご族からは『切の連絡を取り次ぐな』と厳に通がているんです。誰も来ませんよ」

介護士が部をていくと、カチャリとたいドアの閉まる音が響いた。 静まり返った畳半の部。

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壁のカレンダーには、誰の誕も、誰の訪問予定もき込まれていない。

「公平……修平……陽翔ちゃん……」 悦子はベッドので体を丸め、声を殺して咽び泣いた。 脳裏に浮かぶのは、かつて広な敷のリビングで、温かい噌汁を運んでくれていた私の姿。 『お義母さん、今のお噌汁は、お父さんの好きな若汁ですよ』 あの、自分がその優しさを嘲笑い、塩を投げ込み、で踏みにじった々の記憶。

あの、あの喪の嫁が言った言葉が、呪いのようにの奥で反響する。 ――『息子のいない嫁は、所詮赤のよ』 自分で放ったその言葉が、今や自らを縛る逃れられない鉄の鎖となって、この孤独な畳半の牢獄に、ぬまで自分を閉じ込め続けているのだ。

窓のを見げても、見えるのはのコンクリートの壁と、狭い空だけ。 悦子の瞳から、悔の涙がとめどなく溢れたが、その涙を拭ってくれるは、もうこの世界のどこにもしなかった。

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