"四十九日の絶縁" 第7話
魔法のペンダントと徹な対峙
の午。 私のスマートフォンに、悦子から着信が入った。 『裕子さん! 子供たちを連れて帰ってきたわよ! さっさと迎えに来て、荷物を引き取りなさい!』 受話器の向こうの悦子の声は、どこか勝ち誇ったような、傲な響きを帯びていた。
私はすぐにをらせ、義実へと向かった。 のに到着すると、玄関脇にはすでに子供たちの着替えが入ったボストンバッグがつ、放りすように置かれていた。 その隣に、桃のパーカーを着たが、凛とした表でっていた。
「お母さん!」 が駆け寄ってきて、私の腰に抱きついた。 「、無事だった? 陽翔は?」 「うん! 丈夫だよ、お母さん。作戦は成功!」 が悪戯っぽくウインクをした瞬、玄関の奥から、トタトタと弾むような音が聞こえてきた。
「おかあさーん!」 両にきなミッキーマウスの絵柄がついた袋を抱えた陽翔が、満面の笑みでびしてきたのだ。 「陽翔! 怪はなかった? 寂しくなかった?」 私がしゃがみ込んで抱きしめると、陽翔は得げに胸を張り、袋からさな箱を取りして私ののひらに乗せた。
「はい、これお産! 僕とお姉ちゃんで、お母さんのために選んだんだよ!」 箱をけると、に入っていたのは、透な青いガラスで模られた、精巧な「ガラスの靴」
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のペンダントだった。チェーンの先で、キラキラとの陽を反射して輝いている。
「まあ……なんて素敵なの。ありがとう、陽翔、」 胸がいっぱいになり、界が滲みかけたその―― 「あら、裕子さん。ずいぶんかったじゃないの」
玄関のがり框から、悦子がややかな線を投げかけてきた。 級ブランドの袋を元に置き、いかにも疲れたと言わんばかりに肩を回している。 「荷物はもうに積んだかしら? それじゃあ陽翔ちゃん、お母さんとお姉ちゃんに、バイバイのご挨拶をしなさい」
悦子は当然のように、陽翔が自分の元へ駆け戻り、「ママバイバイ、僕はおばあちゃんとここに残る!」と言うものだと信じ込んでいた。 元には、私から息子を奪い取ったという優越に満ちた笑みが張り付いている。
だが――陽翔は、靴を履いたままくるりと体の向きを変えると、悦子に向かって元気にを振ったのだ。
「それじゃあね、おばあちゃん、バイバーイ!」
「……え?」 悦子の笑みが、ピシリと音をてて凍りついた。
「お姉ちゃん、くにこう! お腹すいたー!」 「うん、こう! お母さん、今のお夕飯なに?」 と陽翔はをつなぎ、悦子を瞥もすることなく、軽やかな取りで私のファミリーカーの部座席へと乗り込んでいった。
玄関先に取り残された悦子は、をポカンとけたまま、まるで像のように固まっていた。
「や、陽翔ちゃん……? おばあちゃんとで暮らす約束は……? お菓子も、おもちゃも、あんなに買ってあげたのに……!」
吹きしそうになるのを必に堪えながら、私は歩にみた。 「それではお義母さん。荷物はすべて引き取りましたので、これで失礼いたします」
「ちょ……ちょっと待ち伏せなさいよ、裕子さん!」 悦子が鬼のような形相で玄関から転がりてきた。