"離婚翌日に6億円当選、実家で弟に「居場所はない」と拒絶された私" 第16話
「もう、いらない」
、同じ玄関でその言葉を聞いた、私はすべてを失ったようにじた。
夫に捨てられ、庭を失い、最に残っているとっていた実の席まで奪われた。
「このに姉ちゃんの居所はない」
その言が、当の私には絶望そのものだった。
けれど今は違う。
父と母には、自分たちで選んだ全な活がある。
健太と由紀さんには、の庭がある。
そして私には、自分で借り、自分で具を選び、自分のを過ごす部がある。
誰かに「いていい」と許されなくてもできる所だ。
健太が引き戸を閉め、最の鍵をかけた。
乾いた音が静かな夕方に響いた。
私はをるに、度だけを振り返った。
以暮らした。
子どもの頃、学で嫌なことがあればここへ帰った。
結婚活が苦しくなってからも、の奥ではここを最の避難所にしていた。
それがなくなる。
それでも怖くなかった。
「姉ちゃん、今どこ帰る?」
へ向かおうとした、健太に声をかけられた。
なら、その問いだけで泣きそうになっただろう。
私は振り返った。
「に帰るよ」
「どっちの?」
健太がわざと聞いた。
私は笑った。
「私の」
弟は満そうに頷いた。
をらせると、バックミラーので古い実がさくなっていった。
私はもう振り返らなかった。