"離婚翌日に6億円当選、実家で弟に「居場所はない」と拒絶された私" 第10話
アルバムのの族
介護サービスを利用する準備が始まると、のを理する必がてきた。
廊に置かれていた物をどかし、すりを付ける所を空ける。使わなくなった具や季節用品を階へ移す。私は夕、で物置になったかつての自を片づけていた。
すると、階段をがる音がした。
「でやってんの?」
健太だった。
「うん。しでもめようとって」
弟は何も言わずに部へ入り、私が苦労していたい箱を持ちげた。
「ありがとう。仕事で疲れてるでしょう」
「由紀がで洗い物してる、暇だから」
ぶっきらぼうな言い方だったが、以のような棘はなかった。
で作業をしていると、奥から古いアルバムが何冊もてきた。
私たちはを止め、に座った。
浴、運会、所の公園、正。ページをめくるたび、若い父と母が現れる。
父は私を肩して笑い、母はさな健太を追いかけてっていた。
「親父、こんなに元気だったんだな」
健太が呟いた。
私は胸が痛くなった。
私のの両親は、にをたの姿でく止まっていた。だから話で「元気」と言われれば、そのまま信じられた。
けれど健太は違う。
父がしずつ歩けなくなり、母が膝を痛め、できないことがつずつ増えていく過程を、毎そばで見てきた。
同じでも、私たちが見てきたはまるで違っていた。
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「俺さ」
健太が突然言った。
「姉ちゃんのこと、嫌いだった期あるよ」
私は息をんだ。
それでも「どうして」とは聞かなかった。
弟の言葉を待った。
「母さんが何かあるたびに『耶はいから仕方ない』って言うんだよ」
健太は写真の縁を指でなぞった。
「そのたびにってた。なんで姉ちゃんだけ仕方ないんだって」
胸の奥を針で刺されたようだった。
「姉ちゃんには庭があるから。いから。旦さんに迷惑かけられないから。じゃあ俺は? 由紀は? 俺たちには自分たちの活がないのかって」
私は「らなかった」と言いそうになった。
けれどを閉じた。
らなかった。
それは事実だ。
しかし、その言で終わらせれば、また自分を守る言い訳になる。
私は顔をげた。
「らなくていいとってたのは、私だとう」
健太が私を見る。
「お母さんが丈夫って言えば、それ以聞かなかった。健太がいるからって、自分に都のいいところだけ聞いてた」
私は両を膝ので握った。
「聞けば、自分も何かしなきゃいけなくなるから」
声にすると、自分のずるさがはっきりした。
「ごめん」
健太はしばらく黙った。
窓の隙から夜が入り、アルバムのページが枚だけ揺れた。
やがて弟が言った。
「俺も、帰ってきたに言いすぎた」
私は顔をげた。
「このに居所はないって。
あれは……余裕がなかった」
劇な仲直りではなかった。
抱きうことも、泣きながら許しうこともなかった。
それでも私は、そのさな謝罪が億円よりずっときなものにじられた。