"離婚翌日に6億円当選、実家で弟に「居場所はない」と拒絶された私" 第5話
億円
数、私は予約していた法律事務所を訪ねた。
担当してくれた田弁護士は、私が持参した当選に関する類をつずつ確認しても、げさに驚かなかった。その落ち着いた態度に救われた。私自がまだ億円という数字を現実として受け止められていなかったからだ。
「このことは、どなたかに話されましたか?」
「誰にも。元夫にも、実の族にも話していません」
「今の段階では、それでいいといます」
田先はペンを置いた。
「きなおをにした、番避けた方がいいのは、急いでを全部変えようとすることです」
私は実で起きたことを話した。婚、頼るつもりで帰ったこと。弟から拒絶されたこと。両親の介護を、健太と由紀さんがほとんど抱えていたこと。そして私は億円を使えば、を直し、介護費用を払い、皆を救えるとっていたこと。
田先は黙って聞いた。
「おは選択肢を増やしてくれます。ただし、過のを買い戻すことはできません」
その言葉がく残った。
億円で父の病院代は払える。ヘルパーを頼うこともできる。を直すこともできる。
しかし健太が断った転勤は戻らない。由紀さんが減らした勤務も戻らない。何より、、誰にも助けを求められずに抱えてきた孤独は、札束を積んだからといって消えるものではない。
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「では、私はどうすればいいんでしょう」
「今すぐ答えをさなくていいんです。まず族の状況をること。そしてあなた自も、誰かに依しない活を作ること。そので、これからの負担を減らすために使えばいい」
私はその言葉を持ち帰った。
その夜、母とになった、初めて婚を伝えた。
母は泣いた。
「どうしてそんな事なことを言わなかったの」
私はわず言い返した。
「お母さんが、ずっと『自分の庭を事にしなさい』って言ったからでしょう」
母は言葉を失った。
話は、そこから健太のことへ移った。
「どうして私には何も言わず、健太だけに全部頼ったの?」
「だってあなたはくにんでいたでしょう。健太はここにいるし、男の子だから」
悪はなかった。
だからこそ、私はぞっとした。
母のでは「くにいる男が親の面倒を見る」という考えが、あまりにも当然のものとして根を張っていた。
そこへ由紀さんが入ってきた。
話を聞いていたらしい。
「お義母さん。誰かを『くにいるから』という理由だけで、ずっと介護員にするの、もうやめませんか」
静かな声だった。
「私たちも、もう限界なんです」
母の顔から血の気が引いた。
翌の夜、私は族全員を今へ集めた。
婚したことは、すでに皆がっていた。
父は最初から嫌だった。
「それで、いつまでこのにいるつもりだ」
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以の私なら傷ついていた。
けれど私は鞄から茶い封筒をした。
「実には頼らない。その話をするために集まってもらったの」
封筒から、当選に関する類を取りし、卓の央へ置いた。
「宝くじに当たったの」
健太がで笑った。
「いくら。アパートの敷くらいにはなるのか?」
私は弟を見た。
「億円を超えてる」
誰もかなかった。
父が老鏡をかけ直した。母は冗談だとったのか笑いかけたが、類の数字を確認すると声を失った。由紀さんは元をで覆った。
やがて母が涙を流した。
「良かったじゃない。これで全部ね。も直せるし、健太たちも楽になるわ」
私は答えなかった。
そして健太だけが、しばらく類を見たあと、突然笑った。
乾いた、たい笑いだった。
弟はゆっくりちがった。
「すごいな、姉ちゃん。億か」
そして私をまっすぐ見た。
「じゃあさ」
健太の声が震えていた。
「俺のは、いくらで買うつもりなんだよ」