"「息子が高熱なのに来い!」夫一家に185万円の請求書を押しつけられた私の正体" 第16話
錠のたさとの座
「さあ、松岡達也。そして同席の皆様」 赤坂警察署の警部補が、無表に歩み寄った。 「百万千円の代について、現を所持していないことは確認できた。当ホテルからの正式な被害届を受理した。全員、詐欺および無銭の現犯で逮捕する」
カチャリ、とたい属音が響いた。 達也の首に、の錠が嵌められる。
「嫌だ! せ! 俺は悪くない! 美央! 美央、頼むから助けてくれぇぇっ!!」 達也は錠をかけられた両を振り回し、をいずりながら私の元へ突してきた。 セキュリティガードが即座に達也の肩を押さえつけるが、男は狂乱状態で絨毯に額を何度も叩きつけた。
「美央! 俺が悪かった! 座する! 何万回でも座するから! おをバカにしたのも、カードを使ったのも全部謝る! 俺たち、夫婦だろ!? 子供だってまれたばかりじゃないか! 蓮から父親を奪う気かよ!!」
『蓮』という名がその汚れたからた瞬、私の全から、猛烈な殺気が噴きした。
私は達也のに歩み寄り、徹な瞳で見ろした。 「……よくも、そので息子の名を呼べたものね」
達也がビクッと息を呑む。 「今夜、蓮は度分のをして苦しんでいたわ。私はあなたに、そのことを伝えたはずよ。……あなたは何て返信してきたかしら?」
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私は私用のスマートフォンを取りし、画面を達也の目のに突きつけた。 そこには、彼が酷に打ち込んだメッセージが表示されていた。 『子供のくらいで騒ぐな。ってでも来い。財布を持ってこなかったら許さない』
「子供が苦しんでいるとりながら、自分の豪遊のために『緊急事態だ』と嘘をついて呼びつけた。……父親? あなたが父親ですって? が子の命より、自分の見栄とタダ酒を優先した劣な怪物が、どの面げて父親を名乗るの?」
「あ……あぁ……」 達也の顔が絶望に染まり、声が掠れていく。
「美央さん! お母さんを助けて! 私、寄りなのよ! 刑務所になんか入ったらんじゃうわ!!」 子もまた、警官に腕を掴まれながら、涙と涎を垂らして叫んでいた。 「あんた、親孝がしたいって言ってたじゃない! 義理の母親を見捨てるなんて、のがないのかしら!!」
「のがないのは、どちらかしら」 私は静かに言い放った。 「私の優しさを踏みにじり、都の良い財布として搾取し続けたあなたたちに、差し伸べるけなど滴も持ちわせていないわ。……、たい鉄格子ので、自らの欲さを呪いなさい」
「連しなさい」 私のたい宣告とともに、警察官たちがを力づくで引き起こした。
「美央ぉぉぉっ!! 許してくれぇぇっ!!」 「嫌ぁぁっ! しなさいよ、この無礼者!!」
絶叫と喚き声が廊に霊し、なマホガニーの扉の向こうへと消えっていった。 散らかり放題になった最級の料理と、真っつに割れたカードの残骸だけが残されたペントハウスに、い静寂が戻ってきた。