"「息子が高熱なのに来い!」夫一家に185万円の請求書を押しつけられた私の正体" 第12話
凍結されたブラックカード
ペントハウスの豪奢な円卓では、の寄虫たちが相変わらず飽くことのない欲望を満たし続けていた。 達也はヴィンテージワインの最の滴をグラスに注ぎ、空になったボトルをに無造作に転がした。
「おい、ボーイ! 追加だ、追加! 番いドン・ペリニヨンのロゼを持ってこい! 今夜は母さんの誕なんだ、慮なんかいらねえよ!」 赤ら顔の達也が、井のシャンデリアに向かって品な声を張りげる。 「ちょっと達也、まだ美央さんが戻ってこないじゃないの。もう分も経つわよ? まさかあの女、レジのでオロオロ泣いてるんじゃないでしょうねえ」 子がデザートのスプーンを舐めながら、の悪い笑みを浮かべた。
「泣いてるに決まってんだろ! 百万なんて、あいつのショボい貯座からしたら臓が止まる額だからな!」 弟の修が膝を叩いてゲラゲラと笑う。 「兄貴、マジで最だぜ! 嫁の貯でこんな美い肉えて、級ワインみ放題なんてさ! 今度俺ののローンも、あの女に部払わせようぜ!」 「いいわね、それ賛成!」 妹の里奈も、に入れたばかりのブランドバッグを撫で回しながら歓声をげた。
そのだった。 マホガニーのな扉が、音もなく滑らかにいた。 部に入ってきたのは、のトレイを携えた名の黒のシニアソムリエ、そしてその背に控える、隙のない姿勢を保った名のフロアマネージャーだった。
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「おっ、来た来た! 遅いぞおら! くシャンパンを抜いてグラスに注げよ!」 達也がソファにふんぞり返ったまま、横柄に指を鳴らした。 しかし、仕たちは誰としてボトルをけようとはしなかった。 先にったシニアマネージャーが、切のを削ぎ落とした淡な礼を捧げ、のトレイを達也の目ののローテーブルに置いた。
トレイのに乗せられていたのは、シャンパンではなく―― 真っつにハサミを入れられた、枚の黒いクレジットカードの残骸だった。
「……あ? 何だこれ」 達也が眉をひそめ、トレイののプラスチック片を指で突いた。 「おい、これ……俺が予約のに使ったカードじゃねえか! 何で割れてんだよ! おい、何の嫌がらせだ!」
マネージャーはピクリとも表を変えず、氷のようなバリトンボイスで告げた。 「恐れながら、お客様。こちらのカードは、たった今、カード会社の本部決済システムより【な正利用および盗難届該当】のフラグがち、制利用止処分――すなわち、完全凍結となりました」
「……はあ!? 凍結だあ!?」 達也がちがり、唾をばして鳴り散らした。 「ふざけるな! そのカードは俺の……いや、俺の妻の座のカードだぞ! ならいくらでも入ってるはずだ! 械のエラーに決まってんだろ、もう回通せ!」
「ねて申しげますが、お客様」
マネージャーの線が、刃物のように鋭く達也の眉を射抜いた。 「カード名義ご本様からの直接の通報により、本カードは無効化されました。したがって、本この部でご注文いただきましたご代、計百万千円につきましては、カードによる決済は切お受けできません」
マネージャーはトレイの横に、枚のをピシリと置いた。 赤字で印字された、正規の請求。
「全額、今すぐこのにて、現にて括でお支払い願います」