"元夫に投げつけられたカード、残高は一億五千万円" 第4話
御のとたい線
「俺の両親は……すごく厳格ななんだ。柄や血筋に異様なほど執着していて、ひな子に失礼なことを言うかもしれない。でも、何があっても俺が君を守るから」
のその言葉のを、私は本当ので理解していなかった。私の実は貧しく、族が古い借で肩を寄せって暮らしていたが、笑いの絶えない温かい庭だったからだ。「親なんて、最は子どもの幸せを願ってくれるものだ」と、私は浅はかにもをくくっていた。
プロポーズからヶ。私はのに乗せられ、彼の実へと向かった。
が郊の級宅に入り、い丘の頂付でまった、私は目のの景に息を呑んだ。
く聳えつ御の、のな鉄扉。その向こうには、美しく入れされた松やツツジが広がる広な本庭園があり、母はまるで老舗の級旅館のような威容を誇っていた。
「ここが……の……?」
「うん。……こう」
の横顔には、これまでに見たことのないい緊張のが張り付いていた。
産に持参したのは、デパで半かけて選んだ、名老舗菓子の桐箱入りの羊羹だった。卒の私の料からすれば、清の台からびりるようないで購入した品だった。
玄関先で迎えた義母・かよは、私の姿をのてっぺんから爪先まで、値踏みするように然と見ろした。
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「まあ、随分とみすぼらしい方がいらっしゃったのね」
番のその言葉に、私のは真っになった。
「母さん! ひな子に失礼だろ!」
「事実を言ったまでよ。今はがどうしてもと言うから顔を見てあげるだけです。勘違いなさらないでね」
私が差しした羊羹の桐箱を、義母は指先でつまみげると、を瞥してで笑った。
「ああ、デパで積みになっている量産品ね。私、こういう甘ったるいものをべると胃がもたれるのよ。悪いけれど、そこの駄箱のにでも置いておいてちょうだい。でお伝いさんにでもあげますから」
私の真が、たい駄箱のに無造作に放置された。悔しさに唇を噛み締める私のを、がく握りしめてくれた。
通された広なには、な檀の座卓が置かれ、座にはの父・厳郎がパイプを燻らせながら座っていた。企業グループを率いる現役の社である義父は、私たちが座っても言も発せず、煙の向こうから履歴を検分するような徹な差しを向けてきた。
「卒で、駅の本の員だったかね」
く、部の空気を振させるような威圧な声だった。
「はい。元ので正社員として勤務しております」
「君のご両親も随分と放任主義のようだ。まあ、娘に等教育を受けさせる財力もなかったのだろうがね。
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だが、は違う。がは代々、政財界の力者と縁を結び、この位を築いてきた。息子の妻となる者には、相応の教養と、何よりがに利益をもたらす『格』を求めているんだよ」
「父さん、やめてくれ! 俺はひな子の柄をしているんだ!」
が声を荒らげるが、義父はややかにを鳴らした。
「柄で会社が回るかね? 、おにはすでに、しかるべき柄の令嬢との縁談がんでいる。来には正式な見いの席を設けてあるんだ。元のれない平民の娘に現を抜かしている暇はない」
すかさず、義母がえ切った緑茶をテーブルに置きながら、トゲのある笑みを浮かべた。
「本当に。あなたの収なんて、こののにある瓶つ分にも満たないんじゃないかしら? そんな経済覚の方に、美の財布を任せるなんて恐ろしくてできませんわ。さあ、用が済んだならお引き取りくださらない?」
全を切り刻まれるような屈辱。ちがったが、私のを取って叫んだ。
「もういい! こう、ひな子!」
私たちは逃げるようにその豪邸をびした。をた瞬、私は面に崩れ落ち、堪えきれずに涙を流した。
「ごめん……ごめん、ひな子」
は端で私を抱きしめ、自らも悔し涙を流していた。そして、私の目を真っ直ぐに見つめ、震える声でこう言ったのだ。
「ひな子、俺と駆け落ちしてくれないか。……あいつらは俺を、会社をきくするための具としかっていない。このままだと、政界にも繋がる物代議士の娘と無理やり結婚させられてしまうんだ。俺は、君ときたい」