"「片親の貧乏人」と息子を叩いた社長、母の正体を知って絶句" 第15話
父が残した最の仕事
役員会の朝。
私は誰よりく社した。
社へ入り、父が使っていた机へを置く。
ここへ座る度に、まだ父がドアをけて入ってくるような気がする。
「桃、判断を急ぐな」
昔から父はよく言っていた。
「経営者はっているほど晩置け」
私はそれを守った。
祥太を侮辱されたりと、会社の判断を混同しない。
だからこそ、品に関する資料を改めて全て確認した。
契約解除の判断は妥当だった。
私ではない。
父がきていたとしても、同じ結論へ至った能性がい。
役員会では、まず岡の件を議題にした。
賄賂の受領。
取引先の正を把握しながら報告しなかったこと。
会社に利益をもたらす契約を継続させた疑い。
そして社を失脚させる目で、事実確認の報を社員へ拡散したこと。
「本からも部認める発言がています」
私は淡々と説した。
岡と働いた役員たちの表はかった。
「まさか、あのが……」
「先代がくなるに気づいていたんですよね」
「はい」
父は完全な証拠を集めきるにくなった。
だから最の仕事を、私が引き継ぐことになった。
協議の結果、岡は役員職を解かれ、懲戒処分の続きに入ることが決まった。
刑事の問題についても専へ相談する。
そのの午、岡本へ伝えた。
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「そんな……」
話の向こうで声が震えた。
「社、もう度考えてください」
「役員会で決まったことです」
「ですよ」
「分かっています」
「働いたんだ!」
「だからこそ残です」
岡はしばらく泣いていた。
その、りに変わった。
「全部あんたのせいだ」
「違います」
「先代がななければ、こんなことにならなかった」
その言で、私は完全に気持ちがえた。
「父がくなったからこそ隠し通せるとったんですか?」
返事はなかった。
「もうお話することはありません」
話を切った。
続いて品との契約解除も正式決定となった。
ただし現の社員や取引先への響を抑えるため、部業務については移期を設定する。
正に関与していない社員まで突然活を失うことは避けたかった。
品側の専務とも何度も話しった。
「本当に申し訳ありません」
彼は何度もをげた。
「社員のには最まで正へ反対していた者もいます」
「把握しています」
「会社をて直したい」
その言葉には、社とは違う覚悟があった。
私たちが契約を戻すことはなかった。
しかし正しい形で再発するなら、将来別の取引がまれる能性まで否定する必もない。
「まずは被害を受けた方々へ向きってください」
「はい」
数週。
品の正は正式に公表された。
商品回収がみ、複数の会社が損害賠償を求めた。
社は経営の第線から退き、そのは捜査関から事を聞かれることになった。
岡についても銭授受の記録が詳しく調べられた。
私は会社の代表として何度も説を求められた。
忙しさは父がいた頃とは比べものにならない。
それでも逃げなかった。
ある夜。
残業を終えて社をようとした、机の奥から枚のメモがてきた。
父の字だった。
《会社はでできている。数字だけ見れば判断を誤る》
そのに、さくきされていた。
《桃なら分かる》
私はしばらくその文字を見つめた。
父が私を社へ選んだ理由を、初めてしだけ理解できた気がした。