"「片親の貧乏人」と息子を叩いた社長、母の正体を知って絶句" 第14話
壊れた会社と、逃げようとする父
「社」
私は玄関のでち止まった。
「今回の正で被害を受けたのは私の会社だけではありません」
「分かっています」
「分かっているようには見えません」
産表示の偽装。
賞期限や消費期限の適切な変更。
問題の商品はすでに複数の取引先へ流通していた。
回収費用、検査費用、取引先への説、消費者対応。
つの会社の正が、何社にも響を与えている。
「あなたは先ほどから、自分が払うおのことしか話していません」
社は目を伏せた。
「俺も会社を守りたかったんです」
「だから正を?」
「利益をげないと経営が厳しくて」
「社員に責任を押しつけて?」
内部通報者の証言によれば、正に反対した社員へ、社は解雇をちらつかせていた。
《嫌なら辞めてもらう》
その言葉で現を従わせた。
「社員の方々は、会社を守りたくて声をげたんです」
「私だって同じです」
「違います」
私は即座に否定した。
「会社を守るなら、会社の信用を壊す為を命令しません」
社の顔が歪んだ。
若菜は隣で腕を組み、父親から距を取っている。
「お父さんのせいで私まで仕事を失うんだからね」
「まだ会社が潰れたと決まったわけじゃない」
「もうニュースになってるじゃない!」
実際、報は始まっていた。
品会社にとって表示偽装は致命だ。
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取引先は次々と距を置き、融関も今の対応を検討しているという。
専務をに再建へいているが、先きは厳しい。
「若菜。おもくらいせるだろ」
社が突然言った。
「は?」
「もし私個に損害賠償が来たら、部くらい負担してくれ」
若菜は父親のを振り払った。
「冗談じゃない」
「親だぞ」
「だから何?」
その言葉は、以私を見した若菜からは像できないほどたかった。
「私はもうお父さんのことで分迷惑してる。会社がなくなったら仕事まで探さなきゃいけないのに」
「俺だって仕事を失うんだ!」
「自分で正してクビになるだけでしょ」
親子の論が再び始まった。
私は止める気力もなくなり、玄関をけた。
「続きはご自宅でお願いします」
若菜は祥太を度だけ振り返った。
「本当に……もう無理?」
祥太は答えなかった。
その沈黙が返事だった。
「分かった」
若菜は目を伏せ、でへた。
社はまだ残っていた。
「社、本当に何とかならないでしょうか」
「なりません」
「先代なら助けてくれたはずです」
その言葉だけは許せなかった。
「父の名を使わないでください」
った以にい声がた。
社が驚いて固まる。
「父は御社を助けた。でもそれは正を許すというではありません」
「……」
「むしろ父なら、今の御社を見て番ったといます」
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私はドアをけたまま待った。
ようやく社は諦め、へる。
「社……」
「もう私のへ来ないでください」
ドアを閉めた。
静寂が戻る。
祥太がソファへ座り込み、きく息を吐いた。
「疲れた」
「ごめんね。くなって」
「いや」
祥太はしだけ笑った。
「ちゃんと終われた気がする」
私は息子の横へ座った。
「辛かった?」
「そりゃね」
「若菜さんのこと」
しばらく考えてから祥太は頷いた。
「好きだったよ。本気で結婚するとってた」
それだけに傷はい。
「でもあの、頬を叩かれたより、若菜が何も言わず見てたことの方が辛かった」
私は何も言わず息子の肩へを置いた。
若菜の族とは、もう終わり。
そうっていた。
だが会社では、これから本当の始末が始まる。
品だけでなく、岡の処分。
父のに揺れた社内の信頼。
そして、社として私自が示さなければならない決断。
翌週の役員会。
私は父が使っていた社席へ座り、最初のきな処分を告げることになった。