"「片親の貧乏人」と息子を叩いた社長、母の正体を知って絶句" 第13話
「会社がなくなったら私、どうすればいいの?」
「祥太、私ずっと悔してた」
若菜は涙を流しながら訴えた。
「あなたを傷つけたことも、お母さんに酷いことを言ったことも」
祥太は黙っている。
「お父さんに言われて混乱してたの。だからあんなことを……」
「俺が社の息子だと分かったに悔したんだろ」
「違う」
「本当に?」
祥太の声にはりより疲れが滲んでいた。
「俺が今でも普通の会社員の息子だったら?」
「それでも謝ってる」
「じゃあ聞くけど」
祥太は若菜をまっすぐ見た。
「俺が、会社を辞めても結婚したい?」
若菜は瞬固まった。
「どうしてそんなこと聞くの?」
「答えて」
「とも無職になったら活できないでしょう」
言った直、自分でも失言に気づいたらしい。
「あ、違う。そういうじゃなくて……」
祥太はさく息を吐いた。
「やっぱりそうなんだな」
「待って」
「若菜はじゃなくて条件を見てる」
「そんなことない!」
声を荒らげた若菜は、追い詰められたように本音を漏らした。
「だって私だって変なのよ!」
「何が?」
「お父さんの会社がこのまま潰れたら、私の仕事までなくなる!」
部が静まり返った。
若菜はもう止まらなかった。
「私は就職活したくなかったから、お父さんの会社に入ったの。どうせ将来会社を継ぐんだし、それでいいとってた」
「経営者になるのがだって言ってたよね」
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「だったわよ!」
「本当に?」
祥太が静かに尋ねる。
若菜はをつぐんだ。
私は以初めて会ったのことをいした。
彼女は「父の背を追っている」と言っていた。
経営者になるため努力しているのだと信じていた。
しかし契約内容すら詳しくらず、父親の会社がどのような危にあったかもらない。
仕事も、将来も、最初から用されているものだとっていたのだ。
「若菜さん」
私はをいた。
「経営者になるのは、肩をもらうことじゃないわよ」
彼女が私を見る。
「社員の活、取引先、商品、信用。全部の責任を負うになるの」
私は父からを継ぐよう言われた、本当に怖かった。
祥太を育てながら働くだけでも必だった。
その、何百もの社員の活まで背負う。
夜眠れなくなることもあった。
だから必に勉した。
経営会議へ参加し、現へき、数字を覚え、自分が社ならどう判断するか考え続けた。
「若菜さんは、会社を継ぐために何をしてきたの?」
「仕事はちゃんとしてました」
「任された仕事をするのは社員として当然よ」
「じゃあ何をすればよかったんですか?」
「それを自分で考えるところからじゃない?」
若菜は悔しそうに唇を噛んだ。
すると社がで笑った。
「だから俺は最初から若菜に会社を任せるつもりなんてなかった」
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「え?」
若菜が振り返る。
「何言ってるの?」
「最初は考えていたさ。でも入社してから何経ってもした成果をさない。実際には専務へ継がせるつもりだった」
「嘘……」
「おが社になれば会社が危ない」
「私には『期待してる』って言ってたじゃない!」
「娘だからそう言っただけだ」
若菜の顔が歪んだ。
親子で責任を押しつけう姿を見ていると、胸が苦しくなった。
祥太が好きだった女性だ。
ここまで崩れてしまうに、誰かが止められなかったのかとう。
しかし最に選択するのは本だ。
若菜は祥太へすがるような線を向けた。
「祥太。お願い。私とやり直して」
祥太はしばらく黙った。
そして静かに首を横へ振った。
「無理だよ」
「どうして?」
「もう好きじゃない」
若菜の目から涙が落ちた。
「俺は若菜が父親の会社を継ごうとして努力してるところを尊敬してた。でもそれも俺の勘違いだった」
「私は本当に祥太のことが――」
「族を事にできないとは暮らせない」
祥太ははっきり言った。
「母さんを見して、じいちゃんの葬儀を迷惑扱いして、俺のが裕福だと分かった途端に戻ってきた。もう信用できない」
若菜は泣き続けた。
それでも祥太の表は変わらなかった。
恋としての気持ちは、あの叩かれた頬と緒に消えてしまったのだろう。
私はそこでへ帰るよう告げた。
ところが玄関へ向かう途、社が再び私のへった。
「社。せめて損害賠償だけでも……」
最までそれだった。