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"「片親の貧乏人」と息子を叩いた社長、母の正体を知って絶句" 第10話

働いた男の本音

「あなたさえいなければ、次の社は俺だった」

岡は悔しさを隠そうともしなかった。

「私はこの会社に以いるんだ。現から始めて、副社までがった。取引先だって社員だって、あんたより私の方をっている」

「だから父が私を継者にしたことが許せなかったんですね」

「当然だろ」

岡の調から敬語が消えた。

「社の娘というだけで会社をもらえるに、俺の気持ちなんて分からない」

私はその言葉に反論するに、度息を吐いた。

確かに私は創業のだ。

父の娘というが、継者に選ばれた理由のつであることも否定できない。

だからこそ私は代の頃から、の社員以に結果を求められてきた。

取引先との交渉で失敗すれば「社の娘なのに」。

成功すれば「社の娘だから」。

どちらに転んでも父の名がついて回った。

それでも逃げなかった。

祥太を育てながら働き続け、経理、営業、管理、事業企画と複数の部署を経験した。父から継者になるよう打診されたは、夜遅くまで経営の勉を続けた。

その努力を岡が認める必はない。

だが、正を正当化する理由にはならない。

「私に満があるなら、正面から役員会で反対すればよかったでしょう」

「反対したって先代は聞かなかった」

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「だから賄賂を受け取った?」

「それは……」

「品の正まで隠した?」

岡は黙った。

私が社になれない状況を作れば、自分に次のチャンスが来る。

そのため、祥太の婚約問題を利用し、私が私で契約解除したという話を社内に広めた。

役員を方につけたとっていたのだ。

「残でしたね」

私は静かに告げた。

「役員の皆さんは、すでにあなたの件をっています」

「……何?」

岡の顔から表が消えた。

「いつから?」

「あなたが今、皆さんへ私の噂を話すからです」

正の規模がきいため、私はで判断せず、信頼できる役員数名へ父の資料を共していた。

岡にはまだ伝えないよう頼んでいた。

だから彼は、自分が方を増やしたと勘違いしながら、実際には賄賂疑惑をっている役員たちので私の悪を言い続けていたのだ。

「全員……ってたのか?」

「はい」

「それなら、どうして誰も何も言わなかった?」

「調査だったからです」

岡は子へ崩れるように座った。

「俺は……もこの会社にいたんだぞ」

「だから残なんです」

父は岡を信頼していた。

だから副社まで任せた。

その信頼を壊したのは私ではない。

岡自だ。

すると突然、彼はに膝をついた。

「社、お願いします」

「ってください」

「もう度だけチャンスをください」

額をにつけようとする。

私はすぐに止めた。

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「ここで座されても何も変わりません」

「会社を辞めたくないんです」

「正式な処分はこれから決まります」

「社員にだけは言わないでください」

自分が私の悪評を広めたには社員の気持ちなど気にしていなかったのに、自分の正がられることだけは恐れる。

私はりよりも虚しさを覚えた。

「まず帰ってください」

「社!」

「自宅待命令です」

これ以拒めば処分に響すると伝えると、岡はようやくちがった。

肩を落とし、何度も振り返りながら部をていく。

残された社は、その様子を青い顔で見ていた。

私は彼へ線を向けた。

「社もお帰りください」

すると彼まで、そのでをげた。

「待ってください。私は岡さんに言われただけで……」

「あなたの会社で起きた正ですよ」

「でも、岡さんの提案がなければ――」

「社員へ命令したのは誰ですか?」

答えはなかった。

「会社に戻ってください。今頃、専務や社員の方々が対応に追われているはずです」

社はまだかなかった。

そして驚くべきことを言った。

「専務に、私だけは責任を問わないよう言ってもらえませんか?」

私は瞬、自分のを疑った。

今なお自分のを守ることしか考えていない。

このが祥太を「育ちが悪い」と罵ったのかとうと、皮肉にさえじた。

「私があなたを助ける理由はありません」

その言で、彼はようやく黙った。

だが、との因縁はまだ終わっていなかった。

数。

今度は社と若菜が、揃って私の自宅へやってきたのだ。

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