"「片親の貧乏人」と息子を叩いた社長、母の正体を知って絶句" 第6話
「まさか、あなたが社……?」
社はらかに苛っていた。
「何を言ってるんですか? あなたみたいなの会社なんて私はりませんよ」
私はわず苦笑した。
「週、父がくなりました」
「だから何です?」
「父は、御社と以取引を続けてきた会社の社でした」
話の向こうで音が消えた。
私は父の会社名を告げた。
すると社が息を呑む音が聞こえた。
「……待ってください」
「御社には葬儀の案内も届いていましたよね」
「まさか……」
父の会社は複数の事業を展する企業で、社の品メーカーは、その品部ときな取引を続けていた。
そして父が急逝した、取締役会を経て私が正式に社へ就任した。
発表されたのはだった。
「検索していただければてきますよ」
私がそう言うと、話の向こうで社が慌て始めた。
「若菜、ちょっと調べてくれ」
しばらくして、若菜の声が聞こえた。
「お父さん……てる」
「本当か?」
「社……この」
どうやら私が結婚も会社では旧姓を使用していたため、彼らは祥太の母親と社が同物だと気づかなかったらしい。
やがて若菜が話を奪った。
「なんで言ってくれなかったんですか?」
第声がそれだった。
「私は会社員だと聞いてました」
「昨まではそうだったもの」
「でも社の娘だったんですよね?」
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「ええ」
「それを黙っていたなんて酷くないですか?」
謝罪より先に責められるとはわなかった。
「若菜さん。今話すべきなのはそこ?」
「だって、っていれば……」
そこまで言いかけ、若菜はをつぐんだ。
祥太が横から淡々と尋ねた。
「っていれば何?」
「……別に」
「今、俺が片親だから結婚できないって言ったよな」
「それはお父さんが……」
「俺が社の息子だと分かったら、考えが変わるの?」
若菜は答えなかった。
代わりに社がを挟んだ。
「いや、今回の件は誤解です」
先ほどとは別のような調だった。
「私は祥太さんがどんな庭で育ったのか配しただけでして」
「先ほど『片親の貧乏』とおっしゃいましたよね」
「言葉が悪かったことは認めます」
「息子を叩いたことは?」
「それも申し訳ありませんでした」
急に姿勢になる様子を見て、祥太は黙って首を振った。
そして若菜が泣き声をし始めた。
「祥太、本当にごめんなさい。私が違ってた」
「何が?」
「あなたを信じなかったこと」
「俺が社の息子だと分かったから?」
「違う」
「じゃあ、母さんが普通の会社員のままだったとしても同じことを言えた?」
若菜は答えられなかった。
祥太は静かに目を伏せた。
その表を見れば、気持ちが完全にれたことが分かった。
社は焦ったのか、さらに声をきくした。
「祥太さん、若菜を許してやってください。
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は結婚するつもりだったんでしょう?」
「もう無理です」
「そんなこと言わずに」
「お父さんが結婚に反対したんですよね」
祥太がそう返すと、話の向こうが再び静かになった。
私はそこでを押した。
「が復縁したとしても、契約解除については変わりません」
「え?」
社が声を裏返した。
「どうしてですか? 今回の件が原因じゃないんですか?」
「違います」
「じゃあ何なんです?」
私はすぐには答えなかった。
契約解除については、今いついたことではない。
父がきていた頃から、すでに会社内部ではきな問題として検討されていた。
ただし、その理由を社へ伝えるには、まだつだけ確認が必だった。
「理由はいずれ分かります」
「待ってください!」
「本は以です」
話を切った。
祥太は驚いた顔で私を見ていた。
「母さん……本当に契約を切るの?」
「あなたのためだけじゃないわ」
「どういうこと?」
私はスマートフォンを置いた。
「実はおじいちゃん、くなるから社の会社を調べていたの」
祥太の表が変わる。
「何かあったの?」
私は頷いた。
「まだ断定できない。でももし父の調査が正しかったなら、今の暴言なんて比べものにならない問題よ」
そして翌朝。
その問題より先に、いがけない物が私のにちはだかった。
副社の岡だった。