"消えた十一丁の鍬" 第17話
を閉めるのは誰か
しい具をへ運んだ、空は久しぶりにれた。の々にはのが濃くなり、いの向こうから陽が差している。は久方ぶりの青空に堵していたが、信はへづくほど落ち着かなくなった。具を作り直したことと、が全にくことは同じではない。試してみなければ、何も分からない。
徳兵はに布を巻いて付き添った。信は具の位置を印でわせ、の補材を組んだ。本が流と流に見張りを置き、増にはすぐ作業を止めるよう伝えた。槻は見物に来た子どもたちをがらせ、嚢を積む所を空けた。以のようにが皆を鳴ってかすのではなく、役割を確かめながら準備がんでいった。
最初はしだけをかした。具は鳴らず、の支えも持ちこたえた。次に半分ほど閉じると、の流れが細く変わった。「よし、これなら」と槻が言いかけた、信は板の横でさな渦がまれるのを見つけた。が予していた方向ではなく、古いの内側へ回り込んでいる。放っておけば、の元のを削るかもしれなかった。
「度戻します」。信が言うと、健は顔をしかめた。「またやり直しか。今度こそ成功したとったのに」。しかし本は信の判断を支持した。
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全を確かめながらかすことに決めたのだから、見た目がうまくいっていてもの流れを無できない。佐代が流ののを見て、「が削れているのだわ」と指摘した。
信はに、流で旗を振る者と流で図を返す者の位置を描いた。のでは声が音に消され、いところで叫んでも届かないことがある。本は図をつに決め、赤い布は作業止、い布は様子を見る印とした。健はがかかるとこぼしたが、試しに流へらせると声だけでは聞き取れない距だと分かった。誰かが危険をらせたい、らせる方法がなければがない。
徳兵はへづこうとした。信が止めると、父は「具の穴をあとしげれば」と言いかけたが、そこで自分の腕を見た。「図を直せ。わしがをすよりい」。信は驚いた。父が仕事を任せるだけでなく、自分が退く判断をしたのである。彼は板のへ細いを挟んで力のかかり方を変え、もう度試験の準備をした。
度目の試験では、板は予定の位置で止まった。しかし通量を増やすと、の排へ流れるが弥助の畑の端をしずつえぐり始めた。弥助はを挙げた。「そこまでだ。約束した通り、今の流れでは畑が持たん」。信はを戻し、作業を断した。
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自体が壊れなかったことはだったが、ののを作り直さない限り、使えるものにはならない。
寄で槻は言った。「もう何度も試してきた。これ以はが持たん」。すると、お勢がをいた。「が持たないなら、仕事を減らしましょう。を全部度に直すのではなく、守る田と作業を順に考え直せばいい」。にい所、しのでも崩れる所を、農自がっている。信はを広げ、今度は使うと暮らすを交えた図を描き始めた。
その夜、佐代がへ来て、なことを言った。「うちの田の端、もしどうしても掘るなら、私も話に加えてください。畑を失うことだけ怖がっていたけれど、を通すならどうすれば作業がしやすいか、私にも分かることがあるはずだから」。信は彼女のの傷を見て、同じ田でもく働いたの恵は図に載らないとった。