"高熱の娘を置き去りにした姉は、私の夫と不倫旅行中だった" 第5話
国の鏡に映る裏切りの
呼吸が止まった。 血の気が気に引き、指先が凍りついたようにたくなっていく。
「美……? どうしたの、顔が真っ青よ?」 配そうに覗き込む母の声を、私の脳は認識できなかった。 画面を限界までピンチアウトする。
違いない。 歪んだサングラスのフレームの縁、そこに反射している男の輪郭。 麦に焼けた肌、首に巻かれたブラックダイヤのブレスレット、そして特徴な鎖骨のほくろ。 それは、毎晩隣で眠り、今朝「仕事だから仕方がないだろ」と私に背を向けてをていった、私の夫・秀そのだった。
(秀とお姉ちゃんが……で、旅に……?)
過の記憶の断片が、恐ろしいパズルのように組みわさっていく。 ちゃんがまれてからというもの、姉が実ではなく私のに頻繁に入りするようになったこと。 夫が「の面倒を見るのは変だろうから」と、自然なほど姉の愚痴を聞き役に回っていたこと。 私の宅ワークの部かられたリビングで、が声を潜めて親しげに笑いっていたこと。 そして――子供ができない私を嘲笑うかのように、夫が夜の営みを骨に拒むようになった期と、姉の婚の期が、完全に致していること。
(全部……最初から、グルだったの……?)
をして苦しむかのが子を「邪魔な荷物」
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として私に投げつけ、妊に苦しむ実の妹を都のいい無料のベビーシッターとして利用し、は会社のと偽って、私の目の届かない国の楽園で欲に溺れていたのだ。
り? しみ? そんな易しいは、瞬で蒸発した。 私の胸の奥底でカチリと音をてて酷なスイッチが入った。
午。 私は廊のベンチをちがり、夫の勤務先である商社の代表番号へ話をかけた。 「営業課の秀の妻ですが、主の州張の件で緊急の連絡がございまして……」 総務部の担当者は、怪訝そうな声でこう答えた。
『え? さんですか? さんは本よりの休暇を取得されていますよ。「族サービスでへく」と伺っておりますが……』
確定だった。 言い逃れのできない、完全な黒。
病の集治療のモニターが、ピッ、ピッ、と定のリズムを刻んでいる。 その、主治医が静かな取りで廊へ現れ、私たち族のにった。 その顔には、先ほどまでの逼迫したとは違う、形容しがたいいが落ちていた。
「……ご族の皆様。落ち着いて、聞いてください」
医師のい調に、母がさく息を呑んだ。 そして、医師のから告げられた「戦慄の診断結果」と、渡された枚の医療記録――そこに記されていた衝撃の事実が、この獄のような裏切り劇の幕を、取り返しのつかない完全な破滅へと押しく図となったのである。