"高熱の娘を置き去りにした姉は、私の夫と不倫旅行中だった" 第3話
赤灯ので消えた波
性痙攣――その言葉が脳裏をよぎったが、素判断は許されない。 体温計を差し込むと、目盛りは度分までねがっていた。唇のチアノーゼはますます濃くなり、呼吸がヒューヒューと喉の奥で詰まっている。
「息をして……ちゃん、息をして!」 私は半狂乱になりながら、迷うことなく119番をダイヤルした。 「救急です! かの乳児が、度いで痙攣を起こしています! 識がありません!」
所と状況を必に伝え、救急のサイレンを待つ、私は震える指で姉の携帯話を鳴らし続けた。 母親である姉に、刻もくらせなければならない。 だが――。
『おかけになった話は、波の届かない所にあるか……』
何度かけ直しても、同じ無質なアナウンスが返ってくるだけだった。 (どうして繋がらないの!? 国際ローミングだってあるはずなのに、着信拒否でもしてるの!?)
焦燥で臓が破裂しそうになりながら、今度は張のはずの夫・秀のスマートフォンへ発信した。 族の緊急事態だ。仕事であっても、LINEの本くらいは確認できるはずだ。 しかし――夫の話もまた、完全に源が落とされていた。
(とも、どうして連絡がつかないのよ……!) その、くからづいてくる救急のサイレン音が、夜の静寂を切り裂いた。
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私は母へ「今から救急で学病院へ向かいます!」とメッセージを送信し、ちゃんをバスタオルでくるんで玄関へとびした。
「か、痙攣発作継続、チアノーゼあり! 次救命センターへ搬送します!」 救急隊員の緊迫した号が内にび交う。 ストレッチャーので点滴の針を刺され、酸素マスクをあてがわれたちゃんのさな胸が、激しく波打っていた。
午零分。県総医療センターの救急処置に運び込まれると、当直の児科医と護師たちが斉に取り囲んだ。 「症性痙攣積、急性脳症の疑いがあります! 抗痙攣薬の静注を始、至急部CTと血液検査のオーダーを!」 処置のい扉がバタンと閉ざされ、私は待のいプラスチックの子のに、取り残された。
のひらには、ちゃんのい汗と涙の触が、こびりついてれなかった。 神様、どうかあの子を助けて。まだ歳にもなっていない、あんなにさな命を奪わないで――。 両を固く組み、に額を擦り付けるようにして祈り続ける私の元へ、息を切らした両親が駆けつけてきたのは、それから分のことだった。