"離婚翌日、父と食事中の私を「また金持ちに寄生か」と笑った元夫の末路" 第3話
おは半分、事は全部
私は毎朝、亮介よりく起きた。
朝を作り、勤の準備をし、洗濯を回す。亮介を送りしてから洗濯物を干し、自分も会社へ向かう。仕事が終わればスーパーに寄り、夕を作り、呂を洗い、部を片づける。
亮介は帰宅すると、ソファに座ってスマートフォンを見る。
たまに器を流しへ運ぶことはあった。
けれど、それすら「今は伝ってあげた」という空気だった。
ある末、私はを決して言った。
「ねえ、亮介。し事を分担できないかな」
亮介は嫌そうな顔をしなかった。
むしろ理解ある夫のようにく頷いた。
「分かるよ。今は女性も社会で活躍する代だからね。女性だから庭に縛られろなんて、俺は絶対言わない」
「だったら――」
「だから活費も半分なんだよ」
私は言葉に詰まった。
「うん。それは分かってる。でも、私も働いてるから、事の方も半分とまでは言わなくても――」
「ああ、それは違うんじゃない?」
亮介は穏やかに笑った。
「俺の方が労働いでしょ。帰宅も遅いし。それに俺、事に慣れてないから効率悪いんだよね」
「でも、やらなかったらいつまでも慣れないよ」
「綾乃は得なんだから、得ながやった方がチームとして効率いいじゃん」
まるで会社の会議だった。
さらに亮介は、私の事がそれほど変ではない理由まで説し始めた。
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「毎洗濯してるわけじゃないよね。料理だって昨は麻婆豆腐の素を使ってたし。惣菜のもある。別に完璧にやれとは言ってないよ?」
私は黙った。
責めているようで責めていない。
けれど確実に、私の努力をさく見せる言葉だった。
「むしろ適度にを抜いていいって言ってるんだよ。俺って結構理解ある夫だとうけどな」
最にはなぜか、私がわがままを言ったような気持ちになっていた。
そんな活が続いたの終わり、母が鰻を届けてくれた。
「毎暑いから、でべなさい」
老舗の特だった。
亮介も最初はんだ。
ところが箱をけるに、得げに言った。
「鰻の特って、別に鰻自体の質がいわけじゃないのってる? 量がいだけなんだよ」
「そうなの?」
「そう。だからわざわざいして特買うって、報者なんだよね」
胸の奥がえた。
「それ、母に失礼じゃない?」
「本ので言ってないじゃん。俺は事実を言っただけ」
しかも亮介は卓を見回し、当然のように続けた。
「今これだけ? 鰻って脂っこいからサラダ欲しいな。豆腐サラダとか簡単でしょ」
「簡単なら、自分で作って」
初めて、私ははっきり拒んだ。
亮介が目を丸くした。
「何? 急にってる?」
「ってるよ。活費は半分なのに事は全部私。もし私が妊娠したらどうするの? そのも全部私がやるの?」
亮介は数秒考え、で笑った。
「妊娠を言い訳にするつもり?」
を疑った。
「そういう話じゃないよ」
「つわりとか体調良って、ある程度自己管理の問題でもあるでしょ。うちの会社の女性社員だって妊娠に普通に働いてるよ」
「によって違うでしょう?」
「できないって、結局甘えてるんだよ」
その言葉を聞いた瞬、私はようやく理解し始めた。
亮介が求めている「平等」とは、お互いが同じだけ負担することではない。
自分が損をしないこと。
ただ、それだけなのではないか。