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"昭和53年、満員の始発を止めた運転手――その後、坂道で起きた悲劇" 第18話

留所の子

しい留所の候補を決める話しいは、度でまとまらなかった。製糖作業のは幅が広く、乗には向いているように見えたが、荷物のが入りするがあった。くにむはそこへめることを望み、別のは毎型がまればが狭くなると反対した。全な所をつ決めようとすると、別ののがてきた。

ハルは話しいのたびにの古い子を持っていった。背もたれのい、の脚がしぐらつく子である。「寄りがここへ座れるか、試してみたらいい」。最初は皆笑ったが、いざ座ってみると歩の傾きやの向きが気になることが分かった。い待つ所では、数歩の段差さえきな負担になる。

清徳は平と緒に、候補を朝と昼で見比べた。朝は通勤のが列を作り、昼は買い物の荷物を抱えたが集まる。管理の担当者は、見通しや両の入りを確かめながら、簡単に結論をさなかった。平は昔の自分なら『事が終わったかどうか』だけを見ていたと話した。実際にがつ所のまで考えていなかったのだ。

数、利用者と会社、管理の関係者ので当面の案がまとまった。危険が指摘された旧位置は使わず、別の全な所を正式な続きに従って利用する。

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距が伸びる齢者については、ハルのやくの商に刻の案内を置き、待ちわせや移の相談ができるようにする。ただし民がへて交通理するような危険な役割は頼まない。それは専のが担う仕事だった。

決定が正式に伝わるまでの、清徳たちは内での案内を繰り返した。乗客のが「先週は別の所だったぞ」と声を荒らげると、清徳は運表を示して理由を説した。説しても納得されないことはあった。それでも、客が違えたと片づけてしまえば、そのはも同じで迷う。苗は毎の案内が変わった付を記録し、の掲示ともい違わないよう確認した。

決まったも、すぐにすべてが便利になったわけではない。移距が伸びたことに納得できない老もいたし、仕事に遅れそうな朝は満が増えた。苗は問いわせを受けるたび、できない約束はしなかった。「今すぐ元へ戻します」とは言わず、どんな困りごとがあるのかを聞き、記録を残した。運転たちもできない理由を客へ説するようになった。

ある朝、清徳が丘を通ると、ハルの先からいつもの子が消えていた。に入って尋ねると、ハルは笑った。「もうここでバスを待つがいなくなったからね」。子はの奥へ戻されていた。

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清徳はし寂しくいながらも、それが自然な変化なのだとじた。が集まる所は、が変わればしずつ移る。残るのは、そこで過ごしただけだった。

だが午、ハルから営業所へ話が来た。「しい所で、杖をついたおじいさんが転びそうになったよ」。清徳は胸を突かれた。もう度現へくと、そのものに異常はなかった。ただ、がりのが靴につき、乗るの段目が滑りやすくなっていた。えられた留所でも、季節や気によって危険は変わる。清徳は備員へ内の元の状態を確かめるよう頼み、乗客への注案内を増やした。

「度直したら終わりというわけにはいきませんね」と平が言った。清徳は笑った。「だって、だって毎同じじゃない」。その声は、昔よりいくらか柔らかくなっていた。

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