"大家だった姑の逆転" 第10話
「私、働くつもりなんてなかったのに」
息子夫婦がそれからどう暮らしたのか、私は詳しくろうとはしなかった。ただ共通のを通して、々話がに入ってきた。
息子は相変わらず、昼は教習所で働き、夜も別の仕事を続けていた。以なら、嫁との活をしでも豊かにするための副業だったのだろう。しかし今度は、純粋に活費を補うためだった。
アパートの賃収入はもうない。
自分たちの賃も払わなければならない。
建物を解体したことで貯もきく減った。
それでも嫁は活準をなかなかげられなかったらしい。
「結婚したら専業主婦になれるとってた」
嫁がそうこぼしていると聞いた、私は驚かなかった。
話で億円の話をしたも、嫁は最まで「そんなにあるなら助けてくれてもいいじゃないですか」と言っていた。働けばいいという発より先に、誰かのおを使うことを考えていたのだ。
ある夜、らない番号から着信があった。
ると、嫁だった。
「お母さん、お願いします」
以の圧な声ではなかった。
「しだけ助けてもらえませんか。私たち、このままじゃ本当に変なんです」
「働いたら?」
私はく答えた。
「でも私、ずっと専業主婦になるのがだったんです」
「まだ若いんでしょう。仕事なら探せるわよ」
「そんな簡単に言わないでください!」
広告
急に声がきくなった。
「彼のお母さんなんだから、息子が苦労してたら助けるのが普通じゃないですか?」
「あなたは私のことを、息子の活にしがみつく母親だと言ったわね」
「それは……」
「今、あなたがしていることは何?」
嫁は答えられなかった。
私は悪を言いたいわけではなかった。ただ、あので、自分が何をされていたのかを、なかったことにはできない。
もし嫁が最初から「活が苦しい」「働くことにがある」と正直に言っていたなら、私も相談に乗ったとう。しかし嫁は、息子の嘘を信じて「の妻」になれるとい、私を邪魔者扱いした。
い通りにならなくなった途端、「族なのだから助けて」と言われても、以のように無条件では応じられなかった。
「結婚って、幸せなことだけじゃないとうの」
私は静かに言った。
「おがりなければ働く。予定が狂えばで考える。それも夫婦でしょう」
嫁はしばらく黙っていた。
「……たいですね」
最にそう言った。
昔の私なら、その言だけで何も悩んだだろう。自分が悪かったのではないか、もっと優しくすべきではないかと考えたはずだ。
でも今は違った。
「そううなら、それでいいわ」
そう言って話を切った。
それから私は携帯話の番号も変えた。
しい番号を息子にはらせなかった。
ようやく、静かな活が戻ってきた。
ところが数週、今度はマンションの郵便受けに通のが入っていた。
差には、息子の名がかれていた。
どうやって所をったのかはわからなかった。
封筒をにしたまま、私はしばらく玄関のにっていた。